ケアネットライブOncology Season2(全6回)
配信中の番組
腸内細菌叢とがん免疫療法 プレミアム対象
がん治療に、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)をはじめとした免疫療法が広く使われるようになって、改めて注目されているのが腸内細菌叢です。私たちの腸内には500~1,000種類、数にして約100兆個、重量にして1.5kgもの細菌が共生しているとされています。
消化を助け、病原微生物からの感染を防御し、肝機能を保全するなど多くの働きをもつこの腸内細菌叢ですが、近年の研究ではがんの発症や治療にも大きな役割を果たしていることが明らかになってきました。個人ごとの腸内細菌の保有状況によってICIによる治療効果が変わってくる、糞便移植などで腸内細菌叢を変化させることによって治療効果を上げることができる、といった研究報告が続いています。
長らく腸内細菌叢、とくに肥満・細胞老化と発がんの機序、肝がん進展との関連について研究してきた大谷 直子氏に、これまでに明らかになったことと最新の研究動向、これからの臨床応用や創薬の可能性について、包括的にお話しいただきます。腸内細菌叢とがん発症、そしてがん免疫療法との関わりについて、深く総合的に理解することができます。
がんゲノム医療における薬剤開発の役割 プレミアム対象
日本でがんの遺伝子パネル検査が保険収載されてから4年弱が経過し、遺伝子異常に基づいた個別化医療が一般的なものになりつつあります。本ライブでは、がん領域における薬剤開発の進歩の歴史を振り返りつつ、現在の臨床試験(治験)を中心とした薬剤開発の状況を紹介。
第I相~第III相試験等の治験の基本から、それぞれの結果の解釈が年代によってどう変わってきたのか、そして薬剤開発のトレンドが小分子化合物から分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬に移り、現在では抗体薬物複合体や二重特異性抗体にトレンドが移りつつある状況を紹介。そして、世界に目を転じ、治験を行う地域が、欧米中心から中進国などにグローバル化し、近年では中国の躍進が目覚ましくなっています。
そのような状況下で、日本では近年国際的な試験に参加する機会が減少し、かつての新薬が欧米よりも遅れて承認される「ドラッグ・ラグ」ではなく、そもそも治験が行われず新薬の承認自体が不可能となる「ドラッグ・ロス」の問題がクローズアップされつつあります。今後、日本が新薬開発に乗り遅れないために何ができるのか。また、取り残されがちな希少がんの薬剤開発や、今後主流になるであろう全ゲノム解析が新薬開発にどう影響を与えるのかにも言及します。
臨床に生かすために知っておきたい医学統計 プレミアム対象
医師として研鑽を積み続ける上では、最新の論文に目を通すことが欠かせません。でも、「ただ目を通せばいいのではなく、批判的に読むことが必要。トップジャーナルだからと安易に信用せず、自分で正しく情報の批判的吟味をできるようにすることが大切」と日本医科大学の勝俣 範之氏は言います。
論文捏造は言うまでもなく犯罪行為ですが、そこまでではなくとも、出版にこぎつけたいという気持ちやスポンサーへの配慮といった多様な理由から、データを曲解したり都合よく解釈したりという例は後を絶ちません。そして、読み手としてそれを見抜くためには、さまざまなバイアスの存在と、医学統計の基本的な知識が欠かせません。
医療者として、科学的かつ批判的な目を持って論文を読むために、知っておきたい視点を、わかりやすくコンパクトにまとめてお伝えします。明日からの、論文の読み方が変わります!
米国におけるがんゲノム検査の実態 プレミアム対象
2019年6月に遺伝子パネル検査が保険収載されてから丸4年が経過し、日本の実臨床においても徐々に検査とその結果に応じた治療戦略立案が一般的になってきました。今回のケアネットライブ Oncologyでは、米国で長らく腫瘍内科医として勤務する加藤 秀明氏を講師にお迎えし、一歩先行く米国の遺伝子パネル検査の実施状況をお伝えいただきます。検査実施タイミングは?費用は?検査の種類は?専門家会議はどう行っているのか?等、多くの疑問に答えていただきます。
あわせて日本の遺伝子パネル検査の状況に詳しい砂川 優氏を聞き手に、ケアネットが独自に会員向けに行った遺伝子パネル検査の実施状況に関するアンケートの結果を踏まえて、日米の状況比較や今後の課題についてディスカッションします。
「米国でも以前は、遺伝子パネル検査に懐疑的な医師が多かった。しかし検査や薬剤の開発、劇的に症状が改善する患者さんの存在などによって、この5年ほどでガラリと様相が変わった」と加藤氏は言います。日本においても、リキッドバイオプシーの登場や実施タイミングの見直し論などで大きなターニングポイントを迎えつつある遺伝子パネル検査の「今」をキャッチアップします。
今知っておくべき がんと心疾患 プレミアム対象
がん患者の高齢化が進む一方で、がん治療の進歩は著しく、併存疾患を持ちながらがん治療を受ける患者が増えている。とくに、がんと心疾患(循環器疾患)の関わりとしては、古くからアントラサイクリン系薬剤の心毒性が知られていたが、近年は分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により、新たな合併症が大きな問題となっている。
循環器系の副作用はそれ自体が時として致死的で、副作用により治療を中断せざるをえないケースも多い。さらに、がん薬物療法が心疾患の要因となる一方で、循環器疾患の既往が合併症の要因となることも明らかになっており、今やがんと循環器疾患は切り離すこ
とはできず、双方をケアすることが求められるようになっている。
こうした問題に対応するため、「腫瘍循環器=Cardio-Oncology」という領域が生まれ、2023年3月には日本初となるガイドライン「Onco-cardiologyガイドライン」(日本臨床腫瘍学会/日本腫瘍循環器学会)が刊行されるなど、注目を集めている。しかし、各地のがんセンターには循環器専門医がほとんど在籍しないなど、取り組むべき課題も多い。
早くからこの分野に注力してきた九州大学病院の森山 祥平氏が、基礎と臨床双方の視点
から、最新の情報をお届けする。
【お伝えする主なトピックス】
1. なぜがん治療中に心血管合併症に注意が必要なのか
2. がん治療中・治療後に注意すべき心血管合併症
3. 免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬・CAR-T)と心血管有害事象
世界で活躍する腫瘍内科医、キャリアを語る プレミアム対象
国立がん研究センター東病院消化器内科において、胃がんを中心とした消化器腫瘍の新薬開発に向けた臨床試験を精力的に行っている設樂 紘平氏。2020年に胃がん治療の適用となったトラスツズマブ デルクステカン、2021年に適用となったニボルマブなど、数々の薬剤を国内承認に導いてきた。
これらの研究結果はNEJM、The Lancet、Natureなど高いインパクトファクターを持つジャーナルに掲載され、2022年には世界最高峰の研究者を表彰する「高被引用論文著者(Highly Cited Researchers 2022)」にも選出された。研究結果を世界に伝えるため、英語を駆使した国際学会で発表する機会も多く、流暢な英語を操り、発表のみならず司会やディカッションの進行も務める。
現在も国内外の研究者・企業と連携しながら、多くの臨床試験を進行している。さらに2021年に医長、2023年に科長という要職に就き、組織を率いる立場となって、臨床・教育・研究の各分野において精力的に活動している。
日本を代表する腫瘍内科医である設樂氏に、長年の知己であり、同じ消化器腫瘍内科を専門とする聖マリアンナ医科大学の砂川 優氏が「腫瘍内科医としてのキャリアの築き方」を聞く本セミナー。「腫瘍内科医を目指したきっかけ」から、広範な医学知識を身に付ける勉強法、英語力の磨き方、国際学会でのプレゼンの準備、そして目指すリーダー像まで、設樂氏の素顔や仕事への姿勢に迫りつつ、腫瘍内科という専門の魅力を語り尽くす。
しかし、新しい薬剤や治療法の情報を追うだけでは今後の進化についていくことはできません。
ケアネットは、がん情報を中心とした医療情報キュレーションサイト「Doctors'Picks」(医師会員限定)を運営しています。
そして、Doctors'Picksが企画する、横断的な最先端のがん研究・診療情報をお届けするWebセミナー、それが「ケアネットライブ Oncology」です。2023年1月よりSeason2として、隔月で配信しています。
※ Season1の公開期間は終了しました。
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