CareNeTVで人気ある番組の1つに超音波診断装置、エコーを扱ったものがあります。その理由はなんとなくわかると思いますが、あえて言語化してみます。
まず動画なので、エコー像の動きを見られること。成書では、エコー像の瞬間瞬間を捉えた静止画しか供覧できません。
またエコーでは、画像を評価する前に、患者の適切な部位にプローブを上手に当て、画像を描出する技術も必要になります。動画ならば、エコーの名手の手元の微妙な動きを見せながら解説を加えることで、「いい絵」を映し出すコツを指南することができます。
似たように、医師が画像を映し出しながら病状を評価する検査に、消化管内視鏡がありますが、両者には決定的な違いがあります。エコーは患者への侵襲がほぼないので、誤解を恐れずにいえば、誰でも手軽にやってみることができる。内視鏡はそうはいかない。そのような意味でも、エコーは動画で学ぶことがより現実的な手技だと言えます。
2017年2月にリリースされた『救急エコー最速RUSH!』もそんな実践的なエコー番組です。RUSHは、ショック状態にある患者を9つのステップでクイックに診断するエコープロトコル。慣れれば2分で完了できると言います。瀬良誠先生の明解なレクチャーは、その全体像の理解を助ける教材として、多くの先生方から好評をいただきました。
「エコーを聴診器のように使う」。最近、先生方からよく聞く言葉です。エコーは、その性能が年を追うごとに向上し、身近になり、活用範囲が広がっています。それを上手に使いこなせるのが、医師として当たり前になってきているのかもしれません。
CareNeTVでも、これからもいろいろな形で実践的なエコーを学べる企画を考えていきたいと思っています。