統計がカンタンに“ある程度”わかる!を追求したらバーチャルアイドルになった

2025/07/27

町から本屋さんが消えつつありますが、どんな本屋さんにも必ず棚があるビジネス書の代表といえば「会計」「決算書」ですよね。


「会計を理解したい」「決算書をすらすら読めるようになりたい」というのは多くのビジネスパーソンの願望ですが、会計は本格的な学問であり、成書を読んで学習するにはハードルが高い。一般向けの簡単な入門書で大枠だけでもわかりたいというニーズは常に幅広く存在します(僕も4、5冊買いました)。

 

僕の感覚では、医師にとっての「統計」が、ビジネスパーソンにとっての「会計」に近いのではないかと想像します。もちろん研究を本職としている医師は統計を熟知しています。それは経営を本職とするビジネスパーソンにとっての統計もしかりです。一方、臨床医は必ずしも統計を知らなくても日常臨床はできる一方、それを学びたい、“ある程度”わかるようになりたいと考えている人がかなりいるように思えます。


CareNet.comのアクセス状況でもそれを実感できます。CareNet.comでは、手を替え品を替え、医師が統計を学ぶための記事を配信していますが、常に安定的な人気があります。


これがCareNeTVで「バーチャルアイドルが教えるやさしい統計学」が生まれたそもそもの発端です。臨床の知識やスキルを提供するCareNeTVとしては異色の番組ですが、それに近しい学びのニーズがあると考えたのです。


でも、なんでバーチャルアイドルになったのか?


医師に統計を教えるといっても、どんな講師がどんなレベルで教えたらいいのか?僕らとしても“本業”じゃないのでよくわかりません。そこで、先のCareNet.comの記事で医師の閲覧実績からウケがよいものをほぼそのまま動画化することにしたのです。記事は、もともと医師のニーズに合うように企画され、医師にわかりやすいように工夫して書かれています。実際に評価が高かったわけですから、無理に手を加える必要もないだろうと。


当該記事の著者の協力の下、記事をナレーション原稿に書き換え、人間の動きをそのまま動くアニメーションにする技術を用いて、バーチャルアイドル講師を誕生させました。アイドルにしたのは、制作会社にすでにそのバーチャルアイドルが“いた”(製作されていた)ので、統計を勉強したい先生は若手が多いだろうから、こんなテイストもアリなんじゃないか?といういささか安易な流れでした。この見慣れない講師を先生方がどう受け止めるのかやや不安だったのですが、蓋を開けると大変好意的で、胸をなで下ろしたのを覚えています。


この番組のリリースは2022年2月。当時は上記のような“手づくり”で制作したのですが、3年後の今なら、生成AIを使えばはるかにカンタンにできてしまいますね。見方を変えれば、この番組は来るべきAI時代を先取りしていたのかも?


臨床の第一線で活躍する先生方が熱っぽく語る臨場感のある講義がCareNeTVの一番のウリですが、テーマによってバーチャル講師をもっと登場させてもいいのかもしれませんね。


人気シリーズ