医学書なのか小説なのかわからない『仮病の見抜きかた』(金原出版)が話題の國松淳和先生。CareNet.comのヒットメーカー倉原優先生をして、「文才が鬼ってる!」(「Dr.倉原の“俺の本棚”」より)と言わしめた快作ですが、國松先生の真骨頂といえば、これ。そう、専門医でさえ診断にたどり着けなかった難症例に「確診」という答えを与えることです。
2015年10月にCareNeTVでリリースした『フィーバー國松の不明熱コンサルト』では、内科各領域の臓器専門医が難渋した不明熱を國松先生が見事に料理していきます。
たとえば、不明熱のコンサルトを受けることも多いはずの呼吸器内科専門医からのコンサルトはこんな感じ。リウマチ性多発筋痛症と診断され、プレドニゾロンで軽快するも再燃。別の医療機関では気管支喘息と診断されたが、ステロイド吸入薬が著効せず、β2刺激薬で改善を認めない。
「リウマチ性多発筋痛症は、臨床症状の組み合わせだけで診断される疾患なので、常に誤診のリスクを伴う。典型的ではない経過の場合は、常に診断を見直さなければならない」と國松先生。過去の病歴になかった身体所見からある疾患を疑った國松先生は、なんと耳鼻咽喉科の先生に検査を依頼。そこから導き出された最終診断とは?
番組で取り上げるのは、循環器、消化器、呼吸器、腎臓、血液、神経、膠原病、感染症の8領域。上記のようなコンサルト症例の「謎解き」を楽しめるだけでなく、各科で遭遇しやすいキホンの熱から、検査ではわからない困った熱まで、鑑別方法、対処法を詳しく解説しています。
余談ですが、収録当時、「フィーバー國松」という“命名”を先生がえらく喜んでいたのを思い出しました。もちろん「熱」だからフィーバー。番組の中では、指先から「炎」(ファイヤー)も出ています。