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急性発症の頭痛。右半身筋肉低下・羞明あり。その意外な病名

2020/01/26

夜間、救急外来にやって来るさまざまな症状を呈する患者。軽症だったり、症状が治まっていた場合、その患者を自宅に帰してもいいか?入院させて検査、治療を進めるべきか?その判断は、どのような医師にとっても、緊張を強いられる、ある意味、永遠のテーマと言っていいかもしれません。


頭痛、胸痛、腰痛、腹痛という代表的な痛みについて「帰してはいけない」場合をエキスパートが語り合う『聖路加GENERAL Dr.石松の帰してはいけない患者症例』。2012年の制作の番組ですが、その実用性ゆえか、今も多くの先生方にご覧いただいています。


頭痛篇では、石松伸一先生の症例提示をもとに、OPQRSTというチェックリストを使って診断を進め、レッドフラッグを見つけ出す方法を、徳田安春先生が解説しています。たとえば、こんな症例。


25歳、女性。OPQRSTに基づくと、O(Onset;発症様式)は「急に発症」、P(Palliative/Provocative factors;緩解・増悪因子)は「前日夜に赤ワインを飲んだ」、Q(Quality/Quantity;性状・程度)は「程度は7/10で拍動性」R(Region/Radiation;場所・放散部位)は「頭部左半側」、S(associated Symptoms;随伴症状)は「嘔吐、羞明、右半身筋力低下が先にあり」、T(Time course;時間経過)は「3時間前から継続」。


この患者さんは、片頭痛の既往があり、母親も片頭痛という家族歴があります。頭痛の性状、場所などを勘案すると片頭痛が当然疑われますが、右半身筋力低下という症状が極めて気になるところです。


いずれにせよ、この症状の患者さんを軽々に帰すことはできないと思いますが、徳田先生が下した診断名は意外なものでした。この他にも、救急で遭遇しがちな興味深い症例と診断のためのティップスが気軽にたっぷり学べる1本です。

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