双極性障害の患者さんの病態はどのようなものだと思っていますか。躁状態とうつ状態が交互に現れる。そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。
教科書的には確かにそうですが、実際の双極性障害は、一般的に抑うつ期間の方がはるかに長いことが多いとされています。そして患者さんは躁では困らず、抑うつで困るので、「うつ病」と間違われているケースがたくさんあります。
では、双極性障害の人は、躁状態のときはどんな様子で、うつ状態のときはどんな風にしゃべるのかご存じでしょうか?一度見てみたければ、『Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療』をご覧ください。
実際の双極性障害の患者が出演しているわけではありません。たくさんの患者を診てきた、筑波大学の松崎朝樹先生が双極性障害患者になりきり、その特徴を再現しています。その役者ぶりはなかなかの見ものです。
双極性障害をうつ病と誤診することの最大の問題は、両疾患では治療薬が違うことにあります。双極性障害でも抑うつ症状が目立つならば、抗うつ薬が効くのではと思いがちですが、決してそうではないと松崎先生は断じます。
うつ病には抗うつ薬、双極性障害には気分安定薬。治療薬が違うからこそ、両者の鑑別が重要になるのです。
代表的な気分安定薬は、炭酸リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンの4つ。松崎先生は覚えやすいように学生には「安定したらリッチにバカラ」と教えているそうです。そんな語呂合わせも楽しい、松崎先生ならではの名編です。