病理学を楽しく!医学生のころ苦痛だった講義をCareNeTVが作るとこうなる

2024/05/19

なんで大学生のころは、授業をさぼることばかり考えていたんだろう?


「難しい入学試験をパスし高い授業料を払って、本当にもったいないことをしたなー」と社会人になってからよく後悔したものです。その分野の一流の先生の講義を生で聴けて、質問もできる。そんな貴重な機会をみすみす棒に振っていたのですから。「若かった」と言えばそれまでですが、それにしても…


今この文章を読んでいただいているだろう多くの方と違い、僕は文系学生だったので、状況はかなり異なるとは思いますが、医学部での講義が「とても貴重だった」「もっとしっかり聴講しておけばよかった」と後年感じたことがある先生方も多いのではないでしょうか。


CareNeTVは「臨床医学チャンネル」と標榜しているように、臨床医学の教育的な番組が大半を占めます。しかし、医学部でその手前に学ぶ「基礎医学」を扱ったコンテンツもあっていいのではないか?解剖学、生理学、病理学、薬理学等々…。


番組企画会議で部員からそんな提案を聞いたとき(自分がそう感じているから)、そんなニーズも確かにあるかもしれないと思いました。臨床医として働き始めると、医学部で行われているような基礎医学の講義を聴く機会はそうそうないでしょうから。


そんな発想から生まれた番組が「お絵かきDEおさらい病理学」です。CareNeTVの番組としては異色ですが、誕生にはそうした背景があったのです。


実際に作品になるまでは紆余曲折があり、大学の講義のような感じではないかもしれませんが、「学生時代、病理や免疫学が苦手でしたが、改めて教科書を読んでみたくなりました」「とてもわかり易かったです。学生時代に聞きたかった」「復習できてよい」といった好意的な声を多数いただき、当初想定したニーズはやはり一定数あるということが確認できました。


ところで、この番組にはもう1つ特徴があります。


講師の小倉加奈子先生がイラストを描きながら病理の説明をしていくところです。基礎医学は、ともすれば小難しく退屈になりがちなので、先生の特技を生かしてCareNeTVらしい演出で仕上げています。


実際に絵を描いているところを撮影されるというのは想像以上にハードルが高いことなのですが、小倉先生はプロのイラストレーターのように見事に対応してくれました。その姿を見て往年の水森亜土さんを思い出しました(わからない方のほうが多いですね。すいません)。


他の分野でもこんな楽しい基礎医学の講義ができる先生がいるといいのですが…。われこそはという先生がおられましたら、ぜひご一報ください。

人気シリーズ