Dr.ケンスケのためになる循環の生理学(全11回)
シリーズ解説
配信中の番組
第1回 循環とは何か? 循環の2要素 プレミアム対象
- 2023/08/31(木)公開
- 9分46秒
臨床現場ではさまざまなデバイスを駆使して循環管理を行っていますが、改めて「循環とは何か?」と問われると答えに詰まる方も多いのではないでしょうか。この問題を捉えるための中村流のツボ、酸素運搬oxygen deliveryと組織灌流perfusionの2要素からスタートです。
第2回 循環における酸素を極限まで突き詰める(酸素運搬Part1) プレミアム対象
- 2023/09/21(木)公開
- 10分27秒
第2回のテーマは酸素運搬oxygen deliveryの主役である酸素です。酸素の絶対量としての動脈血酸素含有量 CaO2を考える際に酸素化の指標であるSaO2(SpO2)とPaO2のどちらを重視すべきなのか論理的に突き詰めて解説します。通常、酸素の限界点とされている急性呼吸不全についても、その真の意味をスッキリ理解できます。
第3回 ヘモグロビン・心拍出量と酸素運搬(酸素運搬Part2) プレミアム対象
- 2023/10/12(木)公開
- 16分17秒
第2回に続き酸素運搬oxygen deliveryを考えます。今回のポイントとなるのは酸素運搬量 DO2の定義式。これを学ぶことで酸素運搬におけるヘモグロビン濃度と心拍出量の重要性について理解できるでしょう。生物の有する酸素運搬に対する代償機構についてもわかりやすく解説します。
第4回 組織灌流には血圧が命(組織灌流Part1) プレミアム対象
- 2023/11/09(木)公開
- 9分10秒
今回からは組織灌流perfusionを扱います。組織灌流は血圧が作り出すもの、まさに血圧が命です。その機序の説明において触れられる流動学 Rheologyの知見などもわかりやすい解説とアニメーションで楽しく明快に理解できます。
第5回 血圧と各臓器灌流曲線(組織灌流Part2) プレミアム対象
- 2023/11/30(木)公開
- 18分19秒
前回に続き組織灌流 perfusionについて学びます。血液の臓器灌流と血圧の関係を示すのが臓器灌流曲線。各臓器の血圧管理において重要なこの臓器灌流曲線のうち脳・心・腎・消化管についてそれぞれの特徴を詳しく紹介します。カテコラミンとperfusionの関係についての解説も臨床に役立ちます。
第6回 生理学に基づいた循環の見かた プレミアム対象
- 2023/12/21(木)公開
- 14分3秒
これまで循環の2要素、酸素運搬oxygen deliveryと組織灌流perfusionについてじっくりと学んできました。今回はこの知見に基づいて臨床で循環をモニタリングするポイントについて説明します。尿量目標の背景にある考え方、血圧管理が最優先される理由などがスッと理解できます。いわゆるCryptic Shock(血圧正常なショック)についての解説も必見です。
第7回 前負荷と後負荷を深く学ぶ プレミアム対象
- 2024/01/11(木)公開
- 12分34秒
ここからは酸素運搬oxygen delivery、組織灌流perfusion以外の循環生理学のエッセンスを解説します。今回は心拍出量を規定する因子として心収縮力と共に知られる、前負荷、後負荷についてです。いわゆるスターリングの下降脚は果たして本当なのか。心拍出量曲線を核として前負荷、後負荷と心拍出量の関係を学んでください。
第8回 心拍出量曲線とうっ血管理 プレミアム対象
- 2024/02/01(木)公開
- 13分22秒
前回に続き心拍出量曲線を起点にして肺水腫などのうっ血管理について考えます。臨床上、Critical PCWP(突然肺水腫が生じる臨界点)を考慮することが非常に重要ですが、これについてスターリングの法則を踏まえてわかりやすく解説します。また、臨床における心保護に際して欠かせない心仕事量の考え方についても学んでください。
第9回 静脈還流を極める プレミアム対象
- 2024/02/29(木)公開
- 14分40秒
第7~8回では動脈側の血流である心拍出量について見てきました。今回は静脈還流について学びます。ここで登場するのがガイトンの静脈還流曲線ですが、これをスターリングの心拍出量曲線と同じ平面上に置くことで静脈還流こそが心拍出量を規定していることが視覚的に理解できます。また、循環管理において輸液と血管収縮薬を使い分ける戦略についても、静脈還流を深く学ぶことでその本質が会得できます。
第10回 改訂スターリングの法則とは? プレミアム対象
- 2024/03/21(木)公開
- 12分6秒
これまでの説明はスターリングの法則を前提に進められてきました。しかし、臨床上の検証を経てスターリングの法則には必ずしも正しくない側面があることが知られています。そこで今回は、これに若干の修正を加える改訂スターリングの法則について学びます。その理論の背景にあるのはグリコカリクスなど血管内皮細胞構造の解明です。改訂スターリングの法則を理解すれば、より実臨床に即した循環管理の考え方が身に付きます。
第11回 粘稠度を臨床に生かす プレミアム対象
- 2024/04/11(木)公開
- 15分27秒
最終回では粘稠度を取り上げます。血液の粘稠度は実臨床において測定することはできません。しかし、粘稠度が上がれば血流が悪くなり組織灌流(perfusion)を左右するので実際の循環管理においても考慮すべきです。流動学や実験・論文を踏まえた中村先生の解説に学び粘稠度に対する理解を深めれば、臨床での輸血に対する考え方も変わるはずです。
循環を酸素運搬oxygen deliveryと組織灌流perfusionの2要素に分けて理解するのがDr.ケンスケ流のツボ。解説には数式や流動学の考え方なども登場しますが、細かな議論は大胆に省きアニメーションなどを用いてわかりやすく説明するので誰でもスッキリ納得できます。
基礎科学を踏まえた循環管理の考え方は普遍的で応用の効くもの。集中治療や救急に直接携わっていない先生方も、生命に直結する重要な要素である循環の真髄に触れることで明日からの臨床を変える新たな視点を得られるはずです。