Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!(全16回)
シリーズ解説
- 第1回 狂ったシナリオ
- 第2回 構想の死角
- 第3回 もう一つの鍵
- 第4回 見えない檻
- 第5回 美食の報酬
- 第6回 逆転の構図
- 第7回 華燭の罠
- 第8回 仕組まれた幸福
- 第9回 似顔絵の告白
- 第10回 消された記憶
- 第11回 ルージュの呪縛
- 第12回 寡黙な案内人
- 第13回 足されたダイアル
- 第14回 合鍵の証言
- 第15回 光と影
- 第16回 二つの顔
配信中の番組
第1回 狂ったシナリオ プレミアム対象
- 2006/10/13(金)公開
- 88分3秒
ご好評をいただきました「Dr.浅岡の楽しく漢方」のセカンドシーズンをお送りします。前シリーズでは東洋医学の考え方をもとに漢方処方を学んでまいりました。その続編である本シリーズのタイトルにはどのような意味が含まれているのでしょうか?
どのような場合でも薬剤を選ぶ側にはシナリオというものがあるはず。漢方の場合でも当然根拠が必要です。「なぜ」と「だから」です。もしその根拠を持たなければ、「シナリオは狂う」はず。「どうしてその処方になるのか、なぜ他の処方ではないのか、別の処方にチャンスはないのか」。ご覧の先生方ご自身にお考えいただくことになります。
今回からは漢方薬・生薬を題材とした知的ゲーム。「知識」を超えて「思考」の世界へ。どうぞわれわれがご用意いたしました診察室へお出かけください。
毎回「メモ禁止」の講演収録ですが今シリーズについてはレジメが用意されました。
番組レジメは添付資料をご確認ください
第2回 構想の死角 プレミアム対象
- 2006/10/13(金)公開
- 77分53秒
我々の身体に起こる諸事について考える場合、様々な要素をピックアップし、考えを組み立てることが必要不可欠です。「こうなっているからこういう結果」「これが原因でこの症状」「だからこういう対処」…それが「構想」です。漢方診療においても「構想」がなければ対処はできません。それではその構想に「死角」があるとすれば、いったいどこにあるのか?
今回は、『漢方薬がどのようにつくられてきたか』の道筋を追う事により「処方」とそれを構成する「生薬」の関係について、また「“水”に関する構想」とその死角についてお届けします。
知識を超えて思考の世界へ。どうぞわれわれがご用意いたしました診察室へお出かけください!
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第3回 もう一つの鍵 プレミアム対象
- 2006/10/13(金)公開
- 84分59秒
患者さんの症状を確認し、その原因がどこにあるのか、どのような問題点があるのか。それをつきとめる時にも、そして対応するときにも「鍵」は必ず存在するはず。西洋医学で対応するべきか、東洋医学で解決するべきか?何がそれを決めるのか?それぞれの医学には問題解決のための「鍵」が用意されています。どちらを選ぶか、「扉を開けることができる鍵」がどちらにあるのか、をお届けします。
また今回は番外編で「オーダーメイド治療」という言葉について取り上げます。その意味を踏まえながら「東洋医学の鍵」について考えていきます。
知識を超えて思考の世界へ。どうぞわれわれの診察室へお越しください!
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第4回 見えない檻 プレミアム対象
- 2007/03/16(金)公開
- 84分31秒
「檻」とは猛獣などが逃げ出さないように設けるもの。つまり空間を隔てるために用意されるものです。我々人間の間でも「世界を隔てる」という意味でいつも檻をつくり内と外を区別しようとします。はっきりと意識して檻に入ったり、檻の外へ出たり、そんな時もあります。しかし時には無意識のうちに「見えない檻」に囲まれることもあるかもしれない…。
「○○なら△△」という解説(多くの場合それは正しいのだが)を、何度も繰り返し唱えられているうちに初期には肝心であったはずのポイントが逸脱してしまったり、あるいは結果として誤った解釈になってしまうことも。西洋医学においては配慮されないことでも東洋医学にとって重要な鑑別点とは何か?今回はそのような例をとってお話していきます。
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第5回 美食の報酬 プレミアム対象
- 2007/03/16(金)公開
- 84分6秒
美食を嫌う人はまずいないでしょう。しかしその「報酬」は…?
「美食」を「薬」に置き換えても同じことが言えます。「楽になりたいから薬を」→「でも副作用は嫌だ」→「漢方なら安心」→「だから漢方治療で」という図式は、漢方薬の人気を支えている一つの要素です。しかし漢方薬も薬ですから、その「結果」について考えておかなければいけません。
例えば「冷え症」は漢方治療の十八番であり、冷えた患者さんに温熱薬を投じると症状が楽になることは事実です。また一方、「漢方で体質改善」と言われることがありますが、これは「症状を取り去るだけでなく、根本から治療しなければ」ということなのでしょう。しかし、「冷えているから温める」のであれば、温めるのを止めたときの「結果」はどうなるのでしょうか?
今回は、「本治」と「標治」をキーワードに漢方治療を探ります。
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第6回 逆転の構図 プレミアム対象
- 2007/03/16(金)公開
- 80分16秒
東洋医学の重要な考え方に「寒熱」があります.もちろん寒と熱は反対側に位置するもの。しかし、だからといって無関係であるとは言い切れません.
女性に多くみられる冷え症、これは実際に冷える部分(足など)に触れてみれば確かに冷たくなっています。だから診断は「寒」。しかし一方で、カゼをひいた時の診断として知られる「表寒」の時には多くの場合体表は冷えてはおらず反って発熱。つまり体表は温かくなっている、しかし診断は「寒」。これはいったいどういうことなのでしょうか?
今回は一見真反対に思われるものが実は深い関係にある、そんな逆転の構図について考えてみましょう。
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第7回 華燭の罠 プレミアム対象
- 2007/07/20(金)公開
- 83分47秒
専門用語は、「難しくてよくわからない」というイメージがつきやすいものです。しかし、専門用語を使うから高度なものであるということではなく、あくまでもその意味を知ることが重要なのです。今回は『清熱』という言葉を取り上げます。登場する生薬は清熱の剤として重要な「黄連」、「黄ゴン」、「黄柏」、「山梔子」。それぞれの得意なアクション、適応を探ってみると、結果としてそれらが配される処方の目的がより本質的に理解できるのです。「清熱」という専門用語を使っても、それが何を意味するのかを考えなければ、それはただ雰囲気を醸し出すための演出にしかならないのです。
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第8回 仕組まれた幸福 プレミアム対象
- 2007/07/20(金)公開
- 88分0秒
「幸福」は全ての人の願い、だから誰しもそれを求めて生きています。ある意味では永遠の商品ともなり得ることを忘れてはなりません。また、「健康」という願望は、生きてゆく上で最も基本的な、全ての人にとって大事なものです。「病気にならないために」「不快な症状を取り去るために」ということは確かに重要で、医療の根本的な存在価値を証明するものです。しかし、時としてその範疇を通り越して別の願望へと繋がってゆくことがあります。その時、健康は「商品」として扱われてゆくのも事実です。東洋医学には「養生」という考え方があります。健康であるために必要なのは何も薬だけではないということ。冷静に考えてみれば当たり前なことですが、しかし巧妙に「幸福」を目の前にぶらさげられると、人はその冷静さを失うことがあります。人間と長い付き合いをしてきた東洋医学は「商品としての薬」を戒めることも教えようとしています。
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第9回 似顔絵の告白 プレミアム対象
- 2007/07/20(金)公開
- 84分31秒
世の中には似ているけれど違うもの、見た目はそっくりなのに反対の性質を持つものが存在します。生薬についても同じことが言えます。同じ名前の生薬でも加えられる加工(修治)によって全く異なる性質を持つことになる場合があるのです。
天日に干したり、湯通ししたり、熱を加えたり、生薬に加工を施すことを「修治」と言います。その目的は、毒性を消すためや作用を増強するため、時には薬能を変えるためだったりします。漢方処方を学ぶ際、配合されている一つ一つの生薬の薬能を合算することで全体の方向性を考えることについては解説しました。その場合、同じ名前の生薬が配されている別の処方において、実はその修治の仕方によっては全く違う目的で配合される場合があることになります。様々な処方に配合される『地黄』を例に、その配合目的の違いと、処方全体の方向性の違いについて考えてみましょう。
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第10回 消された記憶 プレミアム対象
- 2008/03/14(金)公開
- 87分19秒
「認識する」とはどういうことか、それは目の前の物事を予め用意されたメンタル・イメージ(心像)と照らし合わせることで行われます。過去に様々な情報の中から蓄積されたイメージをもとにその対象を認識するのです。私たちはあらゆるものの判断を心像で行ないます。しかしその大事な情報が常に正確に均質に伝えられているとは限りません。予め用意されたイメージが誤ったものなら、当然認識も誤ります。生薬についても然り、事前に与えらたイメージが正しくなければその薬能を正しく認識することは出来ません。薬というものが商品としての側面を持つ以上、恣意的に選択、或いは修飾された情報のみが抽出されることは十分考えられます(西洋薬についても同じこと)。第10回は「補薬の主役」として扱われる人参を取り上げます。果たしてそのイメージは正しく私たちに伝えられているのか否か?!
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第11回 ルージュの呪縛 プレミアム対象
- 2008/03/14(金)公開
- 82分57秒
ルージュ、言わずと知れた「口紅」のことです。しかし、rougeはフランス語で本当は「赤」という意味です。東洋医学における四診「望聞問切」、その第一歩である「望診」においても唇の色の観察は重要で、誰でも簡単に始めることが出来る診察方法です。しかし…、ルージュというものがあるくらいですから、時には見誤ることもあるでしょう。さて、そもそも四診と呼ばれる診察方法、どうして四つの手段が用意されているのか。もちろん「ひとつだけでは判断を誤ることがあるから」に違いありませんが、それではなぜ、望・聞・問・切の順番なのでしょうか。東洋医学の診察方法が西洋医学のそれと異なることだけに気をとられてはなりません。大切なことは「それがどんな意味をもつのか」という点であり、「なぜその順番なのか」を考えることが重要なのです。
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第12回 寡黙な案内人 プレミアム対象
- 2008/03/14(金)公開
- 90分0秒
生薬の重ね合わせにより目的を達成しようとする漢方薬。配合されるひとつひとつの生薬にはそれぞれ薬能と薬性があり、その合算が処方全体の適応を決めることはどの処方においても共通の原理です。そして、そこには集合体である処方の方向性を決定する上で重要な鍵を握る(周りの協力を得ながら先導するいわば案内人のような)生薬があります。
今回はジャンルを超えて活躍する生薬のひとつ、芍薬にスポットをあててみましょう。この芍薬が、それぞれの処方においてどのような薬能を期待され配合されているのか、あるいはなぜ配合されないのか、配合されない理由とはどのようなものなのか。その意味についてじっくりと考えていきます。
毎回「メモ禁止」の講演収録ですが今シリーズについてはレジメが用意されました。
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第13回 足されたダイアル プレミアム対象
- 2009/07/24(金)公開
- 90分0秒
漢方処方における生薬配合を決めてゆく過程において、そこに加えられる生薬が選ばれ決定される理由はどこにあるのでしょうか。「治したい問題点として○○があり、それに対応する生薬が△△、だからそれを加えた」が基本的な理由です。そして「副作用が出そうな生薬を使う場合にそれを防ぐための生薬を配合する」もまたその理由となります。
それでは、「全ての病態に対応する生薬を全て配合した処方」というものがあると仮定してみましょう。その処方は「万能薬」と成り得るのかどうか。残念ながらそうではありません。その処方の適応となるのは「その全ての病態を抱えている人」が正解であるはずです。
漢方処方は複数の生薬からなる既成のセットです。患者に処方を選ぶ場合、その既成のセットのなかに「必ずしも必要とされない生薬が配合されることがある」ことは容易に想像されることです。その時、それを是とするのか否か。わたしたちはそれを判断しなければなりません。
複合剤を用いるなら複合剤を用いるための思考が必要です。漢方処方が生薬を用いた複合剤であることを忘れ、単純に病名に処方を対応させようとすることの限界がここにもあることをわたしたちは知らなければなりません。
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第14回 合鍵の証言 プレミアム対象
- 2009/07/24(金)公開
- 73分23秒
漢方治療の特徴を表現するものとして「鍵と鍵穴」という言葉が用いられることがあります。その鍵と鍵穴とは具体的に何と何を指すのでしょうか? 仮に、「漢方処方とその適応となる患者」を指すとすると、漢方治療があまり普遍的な治療ではないという結論を導き出すことになってしまいます。
なぜなら、漢方薬は生薬配合もその率も決められた“約束処方”であり、患者さんごとに毎回ぴったり「鍵と鍵穴」が成立するとは限らないからです。漢方処方を用いて治療することは、既製の生薬セットの中から最も合目的的なものを選び出す作業のことを言います。その作業は、少しずつ異なった事情を抱えた患者に、共通する「合鍵」を探すのと同じこと。従って、「漢方処方とその適応となる患者」が鍵と鍵穴の関係にあるから個の医療である、とは言えないのです。それではいったい何と何が「鍵と鍵穴」の関係なのでしょう。
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第15回 光と影 プレミアム対象
- 2009/07/24(金)公開
- 80分0秒
「陰陽」という概念があります。漢方治療の場でも、この「陰陽」という用語を用いたり、「陰陽五行説」と呼ばれる定理のような考え方が紹介されたりします。ここまで読んで難解な印象を持たれるかもしれません。
しかし東洋医学の用語や概念というものはおしなべて古代人たちが日常生活や日々の営みの中に見つけたヒントであり、物事を説明するための術なのです。本来、誰にでも理解できる内容です。だから「陰陽」も、決して理解できないものではありません。
そして「陰陽」が医学に限った概念ではないということを認識してください。現代社会を見渡しても、何かが一方に傾き過ぎて混乱が生じたり、それを是正するために反対に行き過ぎてしまったり。物事にはバランスが重要であることの例は日常のなかにいくらでも見つけることができます。
東洋医学における陰陽、それは人と自然との調和というバランス、個にとって自分自身の中におけるバランス、その重要性を表現したものなのです。
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第16回 二つの顔 プレミアム対象
- 2009/07/24(金)公開
- 85分7秒
昨今よく目にする「alternative medicine」という言葉とは「もう一つの」「他にとるべき」という形容詞ですが、はたして正しい意味で用いられているのでしょうか。
なぜ東洋医学をalternative medicineとして位置づけるのか、それは東洋医学には西洋医学とは相反するものの見方をする点が多々あるからです。ですが、いくら漢方薬が一般的になろうとも、“東洋医学というソフト”を知る意思なくしてalternativeは成立しません。
東洋医学が何をどのように見つめるのか、その視線の先にあるものを考えてみましょう。きっとそれを知る意味も見えてくるのではないかと思います。根底に流れる東洋医学の思想、そこにヒントを求めなければ、得られるものはそれほど多くはない、ということに気づかなければなりません。
毎回「メモ禁止」の講演収録ですが今シリーズについてはレジメが用意されました。
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