全期間1位!医学コンテンツの常識を変えた“イワケン”スタイル

2020/09/26

 どんな情報サイトでもランキングは人気があります。そのサイトで面白いコンテンツを探そうと思ったら、ランキングを見るのが一番手っ取り早いし、そのようにして、多くの人がランキング上位のコンテンツを見るので、そのコンテンツのページビューはさらに上がり、評価が高まっていきます。


 CareNeTVには、月間、年間の視聴ランキングだけでなく、サイト開設からの全期間ランキングというものがあります。ニュースサイトではなく、医学教育動画サイトだからこそ、意義が大きいランキングだと思いますが、現在その1位は、岩田健太郎先生の『Dr.岩田の感染症アップグレードBEYOND』です。


 岩田先生についてはもはや説明不要でしょうが、同様に多くのヒット医学書をものしている倉原優先生が、コンテンツクリエイターとしての岩田先生について、CareNet.comの対談の中でこう評しています。僕もまったくその通りだと思うので、引用させていただきます。


 「岩田先生は、『抗菌薬の考え方、使い方』という本で、医学書と小説を足した、寝転んで読めるような“読み物としての医学書”というジャンルを作り出した。これが、岩田先生は怪物級にスゴイと思う理由です。読み物としての医学書というジャンルができたことで、日本の医学書出版業界のトレンド―文化ができたんだと思います。」(CareNet.com「Dr.倉原の俺の本棚」より)


 CareNeTVの番組でも、岩田先生のレクチャーには、ほかの大半の先生方と違う大きな特徴があります。それは、スライドを使わないことです。番組のテーマに沿って大きな枠組みを事前に決めておいて、あとはアドリブというか即興で話します。それで内容がしっかり伝わるし、聴く者を飽きさないどころか、イキイキとしたライブ感で引きずり込む。この“イワケン”スタイルは、医学書よりもマネするのは難しいでしょう。


 件の『Dr.岩田の感染症アップグレードBEYOND』は、まさに“イワケン”スタイルを堪能できる作品。2012年の制作なので薬の適応などやや古くなっているところはありますが、第3回の「薬理学を武器にせよ」など、感染症治療でもっとも大事な原理原則が圧倒的な熱量とともに頭に入ってきます。


 見れば、感染症を学べるだけでなく、人に何かをうまく伝えるヒントも見つかるかもしれませんよ。

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