ケアネットライブGT(全12回)
シリーズ解説
石井 大太 先生 浦添総合病院 病院総合内科 / 石上 雄一郎 先生 飯塚病院 連携医療・緩和ケア科 / 伊東 完 先生 東京医科大学茨城医療センター 総合診療科 臨床講師 / 大塚 勇輝 先生 岡山大学病院総合内科・総合診療科 助教 / 神川 洋平 先生 福井大学医学部附属病院 救急・総合診療科 / 西澤 俊紀 先生 聖路加国際病院 一般内科 / 音成 秀一郎 先生 広島大学病院 脳神経内科 助教、広島大学病院 てんかんセンター / 原田 洸 先生 マウントサイナイ ベスイスラエル病院 内科レジデント / 藤野 貴久 先生 聖路加国際病院 血液内科 / 三谷 雄己 先生 広島大学病院 救急集中治療医学 / 横田 雄也 先生 奈義ファミリークリニック
配信中の番組
第1回 J-OSLER 攻略のコツ プレミアム対象
- 2022/09/07(水)公開
- 46分26秒
これからの医学教育をリードするであろう新世代のスター講師候補が登壇する新シリーズ、ケアネットライブGT(Got Talent)。記念すべき第1回を飾るのは、医師4年目にして博士号を取得、翌2021年に渡米しニューヨークで内科レジデントとして活躍する原田 洸 氏です。 取り上げるテーマは「J-OSLER」。新内科専門医制度とともに始まった専攻医登録評価システムで、内科専門医を取得するためには、症例のまとめや自己評価の提出など、評価に関するすべてのやりとりをこのJ-OSLERを通じて行わねばなりません。 新専門医制度が開始されたのは2018年度ですが、原田氏はこの新しい内科専門医制度の第1世代として、情報が少ない中での新たなシステムへの対応にさまざまな苦労を経験しました。その体験を基に、J-OSLERを用いて内科専門医取得を目指すうえで押さえるべきポイント、気を付けるべき点について解説します。 特にハードルが高いのは、160例56分野の症例登録と29例29分野の病歴要約。これをクリアするコツについては原田氏自身の経験を踏まえて詳解します。また、内科専門医取得を意識して初期研修医のうちから心がけておくべきことや、日米の制度の相違点などにも言及します。 内科専攻医はもちろん、これから専攻医をめざす初期研修医や医学生、専攻医を指導する立場の先生方にとっても有意義な今回のケアネットライブ。ぜひ視聴し、新制度を乗り切る一助としてください。
第2回 聖路加流低Na血症への対応 プレミアム対象
- 2022/10/05(水)公開
- 28分36秒
聖路加国際病院でかつて内科チーフレジデントを務め、日本チーフレジデント協会(JACRA)の次期代表に就任予定の西澤俊紀 氏が、低Na血症について講演します。 低Na血症の病態評価はポイントが多岐にわたるため苦手意識を持つ先生も多いのではないでしょうか? しかし対処を誤ってNaが急激に上昇すると不可逆的な神経症状にもつながりかねず、その治療には十分な知識と理解が必要です。 西澤氏自身も聖路加国際病院での研修医時代、Na異常への対応は難しいという印象を持っていたとのこと。しかし先輩レジデントの指導がきっかけで苦手意識がなくなり、やがて自らチーフレジデントとして行うようになったレクチャーは大好評を博しました。 鑑別アルゴリズムを身に付け、Naを1mEq/L上げるにはどれくらいの自由水の排泄が必要なのかを理解するのが聖路加流。ぜひこの機会に、外来でも病棟でも誰もがよく遭遇する低Na血症についてしっかり確認しましょう。
第3回 意識障害に強くなる 2ステップ脳波トリアージ プレミアム対象
- 2022/11/02(水)公開
- 61分58秒
今回のテーマは「脳波」。講師は、京都大学に国内留学して脳波を学び、現在では脳波判読ウェブセミナーを定期的に主催する広島大学病院脳神経内科助教の音成秀一郎 氏です。 救急やICUでの意識障害はコモンですが、遷延する意識障害にはNCSE(非けいれん性てんかん重積)が隠れていることがあります。てんかん重積状態は脳に二次的損傷を与えかねず、早期に介入して止める必要があります。 このようなてんかん性意識障害の鑑別に有用なのが脳波。なじみがない脳波も、非専門医のための読み方を身に付ければ簡単に判読できるようになります。しかも、そのチェックポイントはわずかに2つだけです。 脳波はいわば脳のバイタルサイン。この機会にぜひその読み方を学んでください。
第4回 外傷初期診療のカンドコロ ABCDアプローチを中心に プレミアム対象
- 2022/12/07(水)公開
- 51分56秒
新世代のスター講師候補が続々登場中のケアネットライブGT(Got Talent)。今回は医師5年目にして、なんと440頁の大著『みんなの救命救急科』(中外医学社)を上梓したばかりの気鋭の救急医 三谷雄己 氏が登壇します。 外傷初期診療においては言うまでもなくABCDアプローチが基本ですが、その評価と安定化を救急現場で迅速に行うことは容易ではありません。緊迫した救急の現場で重要なのは、あらかじめABCDアプローチを踏まえた「診療の型」を身に付けておくこと。そうすれば、救急車から初療室に移動するまでの15秒間で患者の重症度と必要な処置を見抜き、自信を持って適切な対応が取れるようになります。 講演内容はABCDアプローチ・Primary surveyにとどまりません。Secondary surveyにおける解剖学的評価、受傷機転・病歴の聴取方法、画像診断や緊急コンサルトの原則など外傷初期診療のカンドコロを満載した50分間です。
第5回 もっと使える!バイタルサイン プレミアム対象
- 2023/01/11(水)公開
- 40分18秒
CareNeTVスター講師 林 寛之先生の愛弟子が初登壇!
福井大学医学部付属病院 救急・総合診療科 神川 洋平氏が、「バイタルサイン」をテーマに講義します。
患者が救急搬送された場合、必ず測るバイタルサイン。
処置をしてはバイタルサインを確認し、とまた処置しては確認し…、と患者の状態把握の指標として活用されています。
しかし、実はそれだけではありません。明らかな症状がないときにこそ、バイタルサインの真価を発揮できると神川氏は言います。
林先生の下で日々バイタルサインを研究し続けている神川氏が一歩進んだバイタルサイン活用術についてお教えします。「こんなことができるのか!」と驚くこと間違いなし。
せっかく測るバイタルサインです。どうせならとことん使いこなしましょう!
第6回 救急×緩和ケア どこまで治療する?の考え方・伝え方 プレミアム対象
- 2023/02/01(水)公開
- 45分49秒
新世代のスター講師候補が続々登場中のケアネットライブGT(Got Talent)。今回は飯塚病院 連携医療・緩和ケア科 石上 雄一郎氏が登壇。 救急と緩和ケアという異色のキャリアを歩む石上氏だからこそ見出した、 一刻を争う救急で使える「どこまで治療するか?」の決め方・伝え方を解説します。 どこまで治療するか?を決める意思決定の望ましい形は近年大きく変わってきています。 意思決定というと時間がかかるイメージがありますが、 3ステージプロトコールとトラジェクトリー、ベストケースワーストケースシナリオという3つの考え方を用いて、短時間でも患者・家族とともにベストな選択に近づくテクニックをお伝えします。
第7回 東大式 必修 抗菌薬のスペクトラム プレミアム対象
- 2023/03/01(水)公開
- 40分53秒
今回のケアネットライブGT(Got Talent)に登場する気鋭の新星は伊東 完 氏。米国感染症学会 IDWeek 2020 International Investigator Award の受賞者です。YouTubeなどで「バイキン屋。」を運営し、東京大学感染症内科で身に付けた知見をベースに感染症診療にまつわるレクチャーを発信、各所での講演も大好評です。 取り上げるテーマは抗菌薬のスペクトラム。その学習法として東大病院時代の伊東氏が編み出した手法がストーリーで理解すること。抗菌薬の誕生・変遷の背景にある歴史的経緯や、分子構造の違いなどに着目しスペクトラムの幅の相違を一連の流れの中に位置付けることで、ときに無機質にも思われる抗菌薬の学習も興味を持って行うことができるようになります。 当初は初期研修医向けに始めたレクチャーがいつの間にかローテート中の医学生の間でも大評判になり、指導医の後押しもあって医局公認のコンテンツとなりました。今回はそのうち、ペニシリン系とセフェム系のスペクトラムの要点を中心に解説します。暗記に偏らない東大式学習法を体験すれば、あなたも感染症の勉強が楽しくなること請け合いです。
第8回 聖路加流 高Na血症への対応 プレミアム対象
- 2023/04/05(水)公開
- 33分25秒
新年度最初のケアネットライブGT(Got Talent)には、聖路加国際病院の西澤俊紀氏が再登場。今回は昨年10月に好評を博した「低Na血症」の続編となる「高Na血症」。前回同様、その病態、鑑別、対応の流れ・注意点が身に付く講演です。
まずは、Edelmanの式、尿からの自由水排泄量の計算など、「低Na血症」ライブの復習にあたる重要事項や、脱水の持つ2つの意味など、ナトリウム診療の原則を理解する上で不可欠な内容をわかりやすく解説。鑑別についてはフローチャートを用いて判断の分岐点となる3つのポイントについて丁寧に説明します。さらに、実際の症例を用いて対応の流れ・注意点を具体的に提示するなど、明日からの臨床にすぐに生かせる内容となっています。
高Na血症の対応にまだ自信が持てない若手の先生はもちろん、ナトリウム異常を復習したいベテランの先生にも役立つ今回のライブ、ぜひご覧ください。
第9回 臨床と研究を両立するキャリアパス プレミアム対象
- 2023/05/17(水)公開
- 49分40秒
新世代のスター講師候補が続々登場中のケアネットライブGT(Got Talent)。今回は、研修医・専攻医と並行して大学院に学び医学部卒業後4年で博士課程を修了、現在は岡山大学病院総合内科・総合診療科 助教として臨床・研究・教育に大活躍中の大塚勇輝氏が登場。テーマはズバリ「臨床と研究の両立」です。
初期研修中は臨床に専従するのが通常ですが、大塚先生は岡山大学が提供するART(Advanced Research Training)プログラムも利用し卒後1年目から大学院博士課程に入学して研鑽を積みました。診療に軸足を置き総合診療医としての経験を積む一方で、これまでに40本以上の論文を発表、企業との共同研究などにも取り組んでいます。
そんな大塚先生が自身の経験を踏まえて、臨床と研究を両立するための考え方、毎日の時間配分の実際、助教としての管理・指導業務を効率的に行うためのポイント、研究費獲得のノウハウなどを実践的に語ります。臨床と研究を両立させて学位を取得することを目指す、意欲的な医学生・初期研修医、専攻医・若手医師必見のライブです。
第10回 プライマリケア医が診られる貧血、診られない貧血 プレミアム対象
- 2023/06/07(水)公開
- 54分44秒
今回のケアネットライブGT(Got Talent)に登場する新世代のスター講師候補は藤野貴久氏です。初期研修医時代にはベストレジデントを受賞、チーフレジデントを経て現在は聖路加国際病院内科チーフフェロー。今年2月に上梓した『先生、病棟で急変です! 当直コールの対応、おまかせください!』(羊土社)は、実際に聖路加で毎日行われているチーフレジデントと当直医による当直内容の振り返りにヒントを得て執筆したもの。この振り返りの制度を導入するなど、藤野氏は研修医教育に注力してきました。
そんな藤野氏のサブスペシャリティは血液内科。本ライブでは、研修医教育から専門分野に関する情報発信へと活動範囲を広げる藤野氏が貧血診療について解説します。プライマリケア医にとって重要なのは、目の前の患者に自ら対応可能なのか専門医に紹介すべきなのかが判断できること。その視点から、貧血の基礎から鑑別のノウハウ、最も頻度の高い鉄欠乏性貧血について詳しく説明。また大球性貧血についてもその代表的な原因や診療方法についてわかりやすく紹介します。
ぜひこの機会に非専門医が診られる貧血と診られない貧血の見分け方を確認してください。また、実践的な鉄欠乏性貧血の治療法に関するレクチャーは明日からの臨床にすぐに役立つことでしょう。
第11回 収録音とケースで学ぶ シン・聴診術 プレミアム対象
- 2023/07/05(水)公開
- 70分52秒
今回のケアネットライブGT(Got Talent)に登場する気鋭の新星は石井大太氏。臨床で使えるユニークな聴診術をわかりやすく解説します。初期研修で身体診察の達人である大船中央病院の須藤博先生に師事し、その重要性を痛感した石井氏。現在は浦添総合病院 病院総合内科で自身が開発した録音聴診器を使って、さまざまな部位の「音」を録音し、ベッドサイドにおける聴診の重要性を医学雑誌やセミナーで発信しています。
本ライブでは心音や肺音はもちろん、甲状腺や腹部の診察、骨折の診断など、聴診の方法を幅広く紹介。実際 の収録音を聴きながら学ぶことで、聴く力が鍛えられます。また、モデル患者を使って具体的な聴診器の当て方や操作方法を動画で指導します。
とくに注目すべきは、大腿骨頸部骨折の診断に役立つ聴性打診。適切に行うことで画像検査よりも早く骨折を見つけることができる可能性があり、高齢者の診察や救急対応時に有用な方法です。
聴診の有用性と魅力に迫る70分間をご覧いただき、明日からの臨床にお役立てください。
第12回 社会的困難を抱えた患者にどう対応する? -SDHに取り組むためのフレームワーク- プレミアム対象
- 2023/08/02(水)公開
- 51分32秒
今回のケアネットライブGT(Got Talent)に登場する新世代のスター講師候補は横田雄也氏。奈義ファミリークリニックで地域医療に従事する傍ら、日本プライマリ・ケア連合学会のSDH検討委員会や、SDHに関する研究・教育活動を行う団体、Team SAILに所属し、社会的問題を抱える患者さんへの診療にも力を注いでいます。
SDHはSocial Determinants Of Healthの頭文字で、健康リスクを規定する社会的決定要因のこと。近年注目されている概念です。一方で、SDHや健康格差への理解や対応は医師とは無関係であると考えられがちですが、社会経済的な格差と健康状態には相関があるともいわれており、医師も理解し、取り組むことが重要であると横田氏は言います。
本ライブでは単に啓発するだけでなく、横田氏がアレンジし使用している「SDHに介入する5STEP」というフレームワークを通して、患者さんの社会的背景をアセスメントするツールである「社会的バイタルサイン(SVS)」や、そして最近話題となっている社会的処方の具体的なアプローチについて取り上げます。
社会的困難を抱えた患者さんに、一歩踏み込んだ診療ができる知識が詰まった講義となっていますので、ぜひご覧ください。
2022年9月より毎月第1水曜日に配信します。