Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ(全14回)
シリーズ解説
- 第1回 病歴聴取のコツ、大事なことが3つ!
- 第2回 鑑別診断、シマウマ探しはほどほどに!?
- 第3回 このままでは心筋梗塞になりますか!?
- 第4回 このままでは早死にしますか!?
- 第5回 微妙な患者、危険な患者
- 第6回 現実的に考える!
- 第7回 101人目の患者 ~EBMの常識のウソ~
- 第8回 NSAIDsで胃薬を欲しがる患者さん <前篇>
- 第9回 NSAIDsで胃薬を欲しがる患者さん <後篇>
- 第10回 風邪で抗菌薬を欲しがる患者さん<前篇>
- 第11回 風邪で抗菌薬を欲しがる患者さん<後篇>
- 第12回 頭痛で救急外来に来られた患者さん~診断と治療の新常識~
- 第13回 女性の下腹部痛~日常診療からEBMへ-ベイズの定理-~
- 第14回 糖尿病篇~「明らか」なエビデンス~
配信中の番組
第1回 病歴聴取のコツ、大事なことが3つ! プレミアム対象
- 2004/07/01(木)公開
- 27分1秒
「Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ」第1回目は、病歴聴取のコツを実戦に即して学んでいきます。 研修医T沢のもとを訪れた、コレステロールが心配な患者さん。果たして限られた時間の中で、患者さんの真の思いを、そして判断の根拠となる有益な情報を、うまく引き出すことが出来るでしょうか?そして、名郷直樹先生による3つのアドバイスとは?
【症例】53歳 女性 昨年、検診でコレステロール値がやや高いことを指摘されたため、以来1年間、食事に気を付け、つとめて運動するなどしてきた。ところが、先日受けた検診の結果によると、コレステロール値は以前よりもむしろ上昇。「何か変な病気なのではないだろうか!?」と心配になり、外来を受診するに至った。
第2回 鑑別診断、シマウマ探しはほどほどに!? プレミアム対象
- 2004/07/01(木)公開
- 28分1秒
今回の「Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ」は引き続き同じ患者さんによる鑑別篇です。 患者さんとの面接時に重要なのは、的確に患者さんの思いを引き出すのと同時に、その患者さんに一体何が起きていて、どのような疾患の可能性があり、どのように確定診断に向かっていくか‥ということ。今回は、鑑別診断に至るまでのプロセスと考え方、注意点やコツなどを勉強していきます。 病歴聴取により得られた情報からさまざまな疾患を思い浮かべる瀧澤美代子先生。しかし、重要な疾患を落とすことなく、網羅的な鑑別疾患リストを作るにはどうすればいいか。そして、数ある可能性の疾患の中から確定診断にたどり着くためには、どのようなポリシーを基に、どのような手順を踏んでいくべきか。今回も臨床現場に即したEBMの第一人者である名郷直樹先生が、現場で使える数々の「武器」を駆使して鮮やかに解説していきます。
【症例】53歳 女性 昨年、検診でコレステロール値がやや高いことを指摘されたため、以来1年間、食事に気をつけ、つとめて運動するなどしてきた。 ところが、先日受けた検診の結果によると、コレステロール値は以前よりもむしろ上昇。「何か変な病気なのではないだろうか!?」と心配になり、外来を受診するに至った。 食欲・睡眠・便通に異常なし、体重変化もなし。※どのような疾患の可能性が挙げられるでしょうか?
第3回 このままでは心筋梗塞になりますか!? プレミアム対象
- 2004/07/01(木)公開
- 26分33秒
ほかに原因疾患のない単純な高コレステロール血症の患者さん。コレステロール値正常な人と比べて一体どのぐらい心筋梗塞になるリスクが増しているのでしょうか? そして、スタチンによる薬剤治療によって、それらのリスクはどのぐらい軽減されるのでしょう? そして、個々の患者さんにとって、トータルな意味で、益ある治療とは? Dr.名郷は「相対危険」、「絶対危険」、「NNT」など、EBMの基本的かつ重要な概念をわかりやすく解説しながら、意外なデータを披露していきます。 いよいよ本領を発揮して面白さ倍増の本番組を、どうぞお見逃しの無きように! 【症例】 53歳 女性 2年前から高コレステロールを指摘され、食事運動療法を試みたが改善を見ず、不安を感じて来院。検査の結果、単純な高コレステロール血症と判明した。T-Chol 281、 TG 84、 HDL 43。さて、「先生、放っておいたらどのぐらいの確率で心筋梗塞になりますか」と尋ねてくる患者に対して皆様ならどう答えますか?
第4回 このままでは早死にしますか!? プレミアム対象
- 2004/07/01(木)公開
- 27分58秒
検査の結果、単純な高コレステロール血症と診断された女性。現在、他の疾患やリスクもなく、特に自覚症状もない状態ですが、このまま放っておいたら、コレステロールの値が正常な人と比べるとやはり寿命が短くなるのでしょうか? そして、スタチン系薬剤の投与でコレステロールを低下させれば、より長生きができるのでしょうか? CAST研究やメタ解析等、豊富なデータを基にコレステロール値が高い人の「生き死に」について、名郷直樹先生が驚きの回答を提示します。 患者さんにとって一番気になる「生き死に」の問題。こういったありふれた質問に対して、皆様はどのように説明していますか?
【症例】43歳 女性 2年前の住民健診から高コレステロールを指摘され、食事運動療法を試みるも改善を見ず、不安を感じて来院。検査の結果、二次性の高コレステロール血症は否定され、単純な高コレステロール血症と診断された。T-Chol 281、 TG 84、 HDL 43。コレステロール値が高い=心筋梗塞などに罹る可能性が高いという話に、「では、私はわりと早死にするということですか?」と尋ねてくる患者さん。さて、どのように答えるべき?
第5回 微妙な患者、危険な患者 プレミアム対象
- 2004/07/01(木)公開
- 27分20秒
今回の「Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ」は、まったく対照的な2種類の患者さんが登場します。 最初は、前回までに引き続き、総コレステロール値は280と高いけれども、それ以外のリスクは全くないという患者さん。今回はこれまでの講義を踏まえて、名郷直樹先生ご自身が患者さんへの説明風景を披露します。 続いては、転勤に伴い、はじめて来院された患者さんです。総コレステロール値は194と正常範囲内ながら、肥満、喫煙、心臓病の家族暦、糖尿病など、複数のリスク因子を持っています。とはいえ、ここ3年間は食事・運動療法に真剣に取り組んできたこともあってHbA1cは 7.5未満の値で安定し、体調もすこぶる快調とのこと。少なくとも高脂血症の治療は必要なさそうに思われますが、実際はどうなのでしょうか? 今回もDr.名郷は、さまざまなエビデンスを紹介しながら驚きの結論に導きます。どうぞお見逃しなく。
【症例】 転勤に伴いはじめて来院。過去3年間、糖尿病を患っているが、薬嫌いのため、食事・運動療法に真剣に取り組んできた。その甲斐あって、体重は10kg減少し、HbA1cはかつて8.5だったのが、現在7.1前後で安定している。体調はすこぶる良い。ただし、現在でも肥満あり、喫煙者である、父親を心筋梗塞で亡くしているなど、リスクは高い。T-Chol. 194、TG 84、HDL 43。
第6回 現実的に考える! プレミアム対象
- 2004/07/01(木)公開
- 28分1秒
一見コレステロールに関しては問題なさそうですが、多くのリスク因子を持っており、実はスタチンによる薬剤治療が有効(!)だという今回の患者さん。 しかし、本人は「薬は嫌い」と困惑気味でタバコをやめるつもりもなさそう。こんなときに重要なのは、「現実的に考えて対応すること」だと名郷直樹先生は言います。患者さんにとってトータルな意味で有益な、「現実的な」対応とはいかなるものでしょうか。
【症例】 転勤に伴いはじめて来院。過去3年間、糖尿病を患っているが、薬嫌いのため、食事・運動療法に真剣に取り組んできた。その甲斐あって、体重は10kg減少し、HbA1cはかつて8.5だったのが、現在7.1前後で安定している。体調はすこぶる良い。ただし、現在でも肥満あり、高血圧あり、喫煙者である、父親を心筋梗塞で亡くしているなど、リスクは高い。T-Chol. 194、TG 84、HDL 43。
第7回 101人目の患者 ~EBMの常識のウソ~ プレミアム対象
- 2005/01/20(木)公開
- 30分1秒
Evidence-based medicineという言葉がEBMと略されるようになって、急速にその言葉だけは浸透しました。反面、言葉に本来含まれていた概念の一部分のみにスポットが当てられ、臨床現場には熱狂と失望、対立や批判などがもたらされました。多くの人がEBMについて抱くイメージとは、“大規模臨床試験に基づく論文など外部の客観的情報から臨床判断を行う”というものでしょう。しかし、元来EBMのプロセスでは、先に述べた外部情報だけでなく、むしろ個々の患者にじかに接することによって得られた情報が重要で、両者を統合して臨床判断に至ることこそが求められていたはずです。 今回「Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ」は、<特別篇>ということで、ゲストにマッシー池田先生をお招きし、「狂牛病」の話題を枕に「EBMそのもの」の常識のウソに迫ります。「100人の患者を相手にした場合、101人目の患者がいることに気がつくんですよ」と、なぞの言葉をつぶやく名郷先生。硬い脳ミソを打ち砕き、目からウロコのお話の数々!御出演の先生方と一緒に(グラス片手に)どうぞお楽しみください。
第8回 NSAIDsで胃薬を欲しがる患者さん <前篇> プレミアム対象
- 2005/01/20(木)公開
- 28分1秒
「痛み止めのNSAIDs薬を常用している患者さんが、胃痛を訴えて来院する」というのは日常診療でよくあることです。 それでは・・・と惰性で粘膜保護材を出す前に、「ちょっと待った!その処方に根拠はありますか?」と名郷直樹先生。 こういう場合、どんな薬を出すのが最も適切であると言えるのでしょうか? 今回から2回にわたり、このテーマを元に、臨床現場でEBMを具体的に使っていく方法を学んでいきます。胃薬と一口に言っても、粘膜保護材、COX2阻害薬、ミソプロストール、H2ブロッカー、PPIなどなど多種多様ですが、患者のニーズを満たし、胃潰瘍の予防にも効果があり、副作用が比較的少ないものはどれでしょうか。 前篇では、おもにコクランライブラリーに記載された臨床試験データを勉強し、個々の患者に最適な処方とは何かを考えていきます。 【症例】 膝に痛みがあり、整形外科でロキソニンを処方されている。膝の痛みはおさまったが、1週間ほど前から胃痛を覚えるようになり、胃薬をもらうために外来を訪れた。
第9回 NSAIDsで胃薬を欲しがる患者さん <後篇> プレミアム対象
- 2005/01/20(木)公開
- 27分59秒
“痛み止めのNSAIDs薬を常用している患者さんが、胃痛を訴えて来院”というのは日常診療でよくあること。前篇に引き続き、多種多様な胃薬、痛み止めの選択肢から、「患者のニーズを満たし胃潰瘍の予防にも効果があり副作用の比較的少ない」最適な処方とは何かを考えていきます。前篇ではコクランライブラリーをもとに勉強し、意外な内容が飛び出しましたが、逆に迷ってしまったという方も多いかもしれません。今回はクリニカルエビデンスをもとに思わず納得のエビデンスを勉強していきます。そして、「薬剤の副作用にまた別の薬剤をもって対処する」ことを求められたとき、医師は一体何を考え、どのように行動すべきなのか?診療に対する考えが一歩深まる内容です。 【症例】 膝に痛みがあり、整形外科でロキソニンを処方されている患者さん。膝の痛みはおさまったが、約一週間前から胃痛を覚えるようになり、胃薬をもらうために外来を訪れた。
第10回 風邪で抗菌薬を欲しがる患者さん<前篇> プレミアム対象
- 2005/01/20(木)公開
- 28分1秒
一般に感冒はウィルスに感染することによりおこり、抗菌薬は無効であると知られています。その一方で、風邪に罹った患者さんが「抗生物質」を欲しがることは非常に多く、そしてかなりの医師が(後ろめたい気持ちを抱きつつも)実際に抗菌薬を処方しています。そこには、「もし処方せずに患者が肺炎に罹ったら大変」というリスク回避の論理が強く働いていることでしょう。 そこで今回から2回連続で、このテーマについて掘り下げていきます。そもそも「風邪に抗菌薬は無効」というのは本当に正しいのでしょうか? もし多少なりとも効果があるのであれば、それはどの程度のものなのでしょうか? 膿性鼻汁/水溶性鼻汁ではどうでしょうか? 今回もDr.名郷は私たちに驚きのデータを紹介します。どうぞお見逃しなく!
第11回 風邪で抗菌薬を欲しがる患者さん<後篇> プレミアム対象
- 2005/01/20(木)公開
- 35分0秒
前回は、「細菌感染が疑われる粘性鼻汁の患者さんでも抗菌薬の効果はかなり低く、一方、投薬による副作用ははっきりしている」というデータを紹介し、それで結論は出たかに思われましたが、最後に名郷直樹先生は意外なことを告げました。「一見ウィルス感染による感冒に見えても、抗菌薬が効果を発揮することが結構ある」という結果を示す臨床試験の存在です。事実、クリニカルエビデンスにおいても通常の感冒に対する抗菌薬処方は「利益と害が拮抗している」の欄に分類されています。 そこで今回は、その根拠となった論文を読み解きます。まず最初に伝授するのは、「3分間で楽に読めて臨床に生かせる論文の読み方」。そして、その論文の結論と前回のデータを合わせ、本当に患者さんにとってプラスになるのはどうすることなのか、改めて通常の風邪に対する抗菌薬や感冒薬の使用について考えていきます。お見逃しなく!
第12回 頭痛で救急外来に来られた患者さん~診断と治療の新常識~ プレミアム対象
- 2006/07/07(金)公開
- 58分0秒
今回の「Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ」は一般外来や救急外来での「頭痛」をテーマにライブ版でお届けします。偏頭痛の患者さんは非常に多く、トリプタンの登場以来、治療は大きく様変わりしてきています。今回は、限られた診察時間のなかでも髄膜炎などの深刻な疾患を見逃さず、適切な診断と治療を行うための問診・診察の要点について解説していただきます。
【症例】32歳 男性
15歳頃から月に0~3回程度の頻度で偏頭痛のある患者さん。 当日も朝起きたときから偏頭痛があった。痛みの性状や程度はいつもと同じくらいで、「ガンガンするような感じで、頭を割って中身を出したい」とのことです。 いつもの頭痛薬(エキセドリン)を飲んでも効かないので横になって再び眠りにつき、昼過ぎに再度起きたときにもやはり同じ痛みがあり、夜になっても治らないため19時頃に救急外来を受診。
第13回 女性の下腹部痛~日常診療からEBMへ-ベイズの定理-~ プレミアム対象
- 2006/07/07(金)公開
- 50分0秒
虫垂炎の疑いがある患者さんをもとに「ベイズの定理」を学習していきます。ベイズの定理とは、大まかに言えば「何かが起こる可能性を、その事柄の過去の発生頻度を使って推測する」という理論で、EBMの基幹をなす考え方のひとつです。近年では、Google、Microsoft、Intelなどが、このベイズの定理を利用したアルゴリズムで高い成果を達成していることでも注目されています。今回の「Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ」では、このベイズの定理を簡単な計算だけで、あるいは全く計算しないで日常診療に生かしていく方法を伝授します。
【症例】65歳と25歳の女性患者さんが登場。
前日から右下腹部痛があり、救急車で来院。しかし、あなたはそのとき重症患者を診ていてしばらく手が離せません。バイタルは安定しているとの報告だったため、とりあえず採血と腹部CTをオーダーしました。
第14回 糖尿病篇~「明らか」なエビデンス~ プレミアム対象
- 2006/07/07(金)公開
- 57分36秒
今回の「Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ」は糖尿病の薬物治療をテーマにお送りします。糖尿病などの慢性疾患の場合、薬効のあるなしといったサロゲートエンドポイントではなく、虚血性心疾患や脳卒中といった危険な合併症を減らすというトゥルーエンドポイントをきちんと把握して治療にあたることが重要です。糖尿病に関するエビデンスといえばUGDPやUKPDSなどが有名で、結果も含めてよく知られていますが、実はそれらを仔細に検討すると、意外な治療法が大きな選択肢として導き出されることがわかってきました。 本番組を見れば日常の糖尿病診療に新たな視点がもたらされるはず。お見逃しなく!
【症例】50歳男性
検診で糖尿を指摘され外来を受診。HbA1cは7.8。やや肥満あり、血圧やや高め。父親が心筋梗塞により50代で死亡している。モノフィラメントテスト正常、尿中微量アルブミン陰性。タバコは1日20本×30年間吸っている。