ブームを先取り?輸液の名人Dr.須藤が指した意外な一手

2023/01/28

CareNeTV講師陣のなかでも昔から大人気の須藤博先生。2008年にリリースされた「Dr.須藤のやりなおし輸液塾」は、臨床で使える輸液のコツがわかりやすく学べる定番番組として多くの医師に支持されてきた代表作です。


しかし、2010年代も後半に入ると、動画としての古さを感じるように。輸液の基本はいつの時代も大きく変わるものではありませんが、須藤先生に、内容は変えずに新しく撮り直すことを提案しました。しかし、大船中央病院の院長にも就任し、多忙を極める先生。ただ撮り直すだけでは面白くないと、なかなか首を縦に振ってくれませんでした。


そんなある日、別の企画でコミュニケーションをとっていた担当プロデューサーに、須藤先生の方から逆提案がありました。「輸液を大盤解説のように講義したら、わかりやすくて面白いんじゃないか」と。


大盤解説?


最初、僕は意味がわかりませんでした。「テレビの将棋番組で解説者が壁に張った大きな将棋盤で駒を動かしながら対局の解説するのを見たことありませんか?あれのことです」と聞いて、何のことかは理解しました。


僕は将棋も囲碁もやりませんが、父親は囲碁が大好きで、日曜日にいつも熱心にテレビを見入っている姿を思い浮かべました。


(あの形式で、解説すると、輸液がわかりやすくなるのかなぁー?)


その時は正直あまりピンときませんでしたが、わかりやすい教え方に人一倍こだわりを持ち、稀代のアイデアマンでもある須藤先生のこと。きっと面白い番組になるのだろうと確信し「それで行きましょう」と企画が確定しました。


しかし、須藤先生のイメージを実際に番組として具現化するのはなかなか大変で、担当プロデューサーとディレクターはかなり苦労していた様子。いろいろ考えた挙句、あえてアナログ感を出すために、CGではなく、紙で大盤を作成することになりました。


できあがった「Dr.須藤の輸液大盤解説」は、期待通りとてもわかりやく、好評を博しています。須藤先生はご尊父の形見の大島紬を着こみ「ひふみん」になりきりご満悦。アシスタント役の白神真乃先生も女子アナ風にいい感じでサポートしてくれています。


折しも世間は、藤井聡太五冠と羽生善治九段による「王将戦7番勝負」で大盛り上がりの最中。静岡の掛川で行われた第1局の大盤解説会には観戦希望の申し込みが殺到したと言います。


今こそ、ブームに乗って、将棋な世界感で輸液を勉強してみてはいかがでしょうか?ってこじつけすぎましたね、はい。

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