心電図を読むときは「紙コップ」を! 使えるDr.増井メソッド

2023/09/21

心電図って難しいですよね。


僕は、医療者ではないので、心電図を読める必要はないのですが、CareNeTVの番組の映像チェックで心電図が出てくると、医師になったつもりでなんとか読もうと努力してしまいます。素人ながら何度も同じようなことをやっているので、典型的なST上昇などはわかるようになりました。しかし、当たり前ですが、実際に臨床で遭遇する心電図はそんな教科書に出てくるようなわかりやすい波形ではありません。


「Dr.増井の心電図ハンティング」はいきなりそこからスタートするので、スタジオでそのレクチャーを見たとき、「むむむ」って見入ってしまったのを覚えています。


最初に提示されたケース0。僕でもあっさりわかりましたが、それは医師国家試験の問題で96.5%の正答率だったというオチ。そういう教科書的な心電図には誰も困りませんよね、という前振りだったわけです。


増井先生は、あくまで循環器科ではない一般の医師や研修医が悩むだろう心電図にフォーカスします。黒か白かはっきりしないグレーゾーン。循環器専門医のように完璧に白黒見極められる必要はありません。その広い灰色の面積をいかにより小さくするか、番組ではそのためのさまざまな増井流メソッドがつまびらかにされていきます。


そのなかでも僕が一番わかりやすい!と目から鱗が落ちたのが「紙コップ」メソッド。


12誘導心電図は胸部12カ所に誘導電極をはって心臓の動きを見ているわけですが、心電図ではそれが平面に並んだ波形として表現されます。それを立体的に理解するために、紙コップを心臓の左室に見立て、電極の位置をマーキングして実際の心臓のどこでその動きが起こっているかイメージするわけです。そうすることで、一見わかりにくい心電図でも12個の波形の本当の位置関係から所見が見えてくる(ことがある)。


“コロンブスの卵”的はありますが、これが使える!


その後、「心電図ハンティング2 失神・不整脈編」「骨折ハンティング」「血ガスハンティング」とリリースされた番組はどれも大好評で、増井先生はいまやCareNeTVを代表する人気講師です。その根底にあるのは、臨床現場からしか生まれない、初学者が実際に使える小さな知恵の集積なのだと僕は思います。


9月23~24日の「ケアネットまつり」では、増井先生には「おまつりバージョン」として心電図クイズを生配信してもらいます。無料ですので、CareNeTVプレミアムの会員になっていない先生方も、Dr.増井流の粋をまずはライブで体感してみてください。


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