数多あるCareNeTV番組の中で、長く支持を集め続ける作品には、それなりの理由がある。ヒット作の見所を、講師の先生の素顔、収録秘話を含め、ケアネット編集長の風間がご案内します。
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ICUでSpO2 100%はご法度?! 力丸流で人工呼吸管理を丸っとつかめ! 2019/03/26
春ですね。日本中が桜色に染まり、たくさんの人々が新たな場所に旅立っていきます。そんな季節に、視聴が自然に増えてくる番組がCareNeTVにあります。いわゆる定番の入門コンテンツ。年月を経ても色あせないロングセラー。その典型が、『ドクター力丸の人工呼吸管理のオキテ』です。なぜ、この番組がそこまで医師、医療者に高い評価を得ているのか。それは、ともかくわかりやすく、コメディカルでも初学者でも、人工呼吸管理についての必要十分な知識を短時間で「つかむ」ことができるから。実は、欧米には、人工呼吸管理のきちんとしたトレーニングコースがあります。しかし、日本では人工呼吸器を扱うのにトレーニングは必須ではなく、そうしたコースもまだ確立されていません。このため、古川 力丸先生は、酸素化、換気の考え方、呼吸仕事量など、臨床で使える人工呼吸管理の方法をシンプルに伝えるオリジナルの指導法を考案し、全国各地で教育活動を行っています。難解な呼吸生理学の知識が不要で、ともかくわかりやすいので、年を追うごとに、口コミで“力丸流”が若い医師、医療者に広がっているのです。たとえば、第3回「PF比を使いこなせ!…正しい吸入濃度の設定」では、FiO2、SpO2、PaO2、PF比の関係性を紐解き、あるべき吸入濃度の設定方法を指南します。「サチュレーション100%で酸素化良好」。ICUで医療者が使いがちなこの言葉に、実は落とし穴が…。一瞬ドキッとしますが、明解すぎるロジックに目から鱗が落ちることでしょう。さて、力丸先生の練りに練られた名講義で、人工呼吸管理を丸っとつかんで、明日から、自信を持ってベッドサイドに向かってください。 -
「検査しない」ことがなぜノロウイルスの感染対策になるのか? 2019/02/23
感染症コンサルタントという“職業”をご存じでしょうか。インフェクションコントロールドクター(ICD)がいない病院などに対して、現場に入って感染対策を企画し、職員を指導し、実行を促し、院内感染を現実的に防いでいくプロフェッショナル。岸田 直樹先生は、北海道を中心にそのような仕事をしているドクターです。『感染症コンサルタント岸田が教える どこまでやるの!?感染対策』は、そんな感染対策のプロの視点で、感染対策の基本から、病原微生物ごとの対策を説いていくCareNeTVの中でもユニークな番組。理想を語るのではなく、あくまで現場本位で、実現可能な方策をクリアに提示してくれます。たとえば、ノロウイルス。非常に感染力が強く、手指衛生の基本であるアルコールが無効なため、多くの病院で対応に手を焼いている病原微生物ですが、岸田先生は「冬季の嘔吐下痢症の原因になるのは、ノロウイルスだけではなく、アデノウイルスやロタウイルスもある」と指摘。ノロウイルス対策に「迅速検査は必要ない」と極論します。なぜなら、迅速検査は感度があまり高くなく、陰性であっても感染を否定できず、対策上あまり意味がないからです。では、どうすればいいのか?第6回「感染力が強いノロウイルス」では、豊富な経験に裏打ちされた岸田流の感染対策の具体的なノウハウを公開しています。吐物・糞便の処理方法のマニュアル例など、明日から使える実用的な感染対策ノウハウもたっぷり。医師のみならず、すべての医療者に役立つ番組になっています。 -
一生一度しか出合わなくても絶対見逃してはいけないCT画像 2019/01/22
救急で、当直で、外勤先で、頭部CTをその場で読影しなければならない場面は、医師であれば少なからずあるでしょう。「そんな時、仮に一生一度しか出合わなくても絶対見逃してはいけない画像があります」。そう語るのは、画像読影のエキスパート、ネッティーこと、日本医科大学放射線科の関根 鉄朗先生。73歳女性。歩いて来院。昨日の朝から頸が痛いと訴えています。頭痛はなし。神経学的所見も項部硬直もありません。提示される頭部のCT画像に、病変は3ヵ所。それをどうしたら絶対見逃さないか。逆に言うと、どうしたら確実に見つけられるか。『ネッティー先生のわかる!見逃さない!CT読影術』第1回 頭部編1 怖い怖いくも膜下出血 - この患者は帰しちゃダメ!(初級)では、上記を含め5つの症例が提示されます。正常構造との対比、“一筆書き”、コントラスト設定、所見の足し合わせ、などなど、初級者でも理解できるネッティー流の読影テクニックを折りまぜながら、CT画像読影術を解き明かしていきます。全6回のシリーズでは、頭部と胸・腹部をそれぞれ初級編、中級編、上級編の順でレクチャー。一般的によく出合う症例、見落としてはいけない症例、ネッティー先生が臨床医からよく相談を受ける症例を選んでいますので、どんな医師でも自分に合った回から見れば確実に学びが得られます。そして、そして、ネッティー先生の芸人さながらの流暢な話術にも注目。知識が不思議なほどスイスイ頭に入ってきます! -
内科医にこそ読めてほしい関節X線画像-Dr.仲田の記憶に残る名講義 2018/12/22
あなたは、X線画像で変形性関節症とリウマチを見分けることができますか?変形性関節症は、力学的変化による破壊、リウマチは滑膜増殖による破壊。その病態による画像の違いは、X線上でどのように表れるのでしょうか?MRIで脊椎を見るとき、どこに注目しますか?脊椎の骨折、化膿性脊椎炎、がんの骨転移をしっかり読影できますか?そんな一般内科医が知っておきたい整形外科領域の知見が凝縮された『骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科2』。とくに、第4回「プライマリ・ケアで役に立つ骨、関節X線読影」では、豊富な画像を提示。さまざまな整形外科疾患の画像所見を、病態と関連付けて短時間で理解できます。講師の仲田 和正先生は、内科医の気持ちがわかる整形外科指導医として、いの一番に名前が挙がる先生です。仲田先生が院長を務める西伊豆健育会病院は、地方の小規模病院でありながら、多くの若手医師・研修医が指導を仰ぎに門戸を叩きます。「はい、立ち上がってー! 脚をガニ股に開いてー」。聴講者を巻き込んだ身体を張ったユニークな講義スタイルもケアネット名物。臨場感あふれる映像で、お正月休みに自宅でくつろぎながら、整形外科を学んでみてはいかがでしょうか。ほかにも、頸椎のみかた、大腿骨近位部骨折早期発見のコツ、大規模災害時の初期の負傷者対応など、すべての医師に必要な整形外科の知識が詰まっています。 -
山中克郎先生の真骨頂「攻める問診"」若い女性の腹痛、ここまで攻めなきゃダメ! 2018/11/27
確かな臨床力と人間味溢れる柔らかな語り口。指導医として多くの若手ドクターに慕われる山中 克郎先生(諏訪中央病院 内科)。その山中先生が長年提唱しているのが“攻める問診”。問診でまず大事なのは、患者さんの心をつかむこと。最初の3分は徹底して患者さんの話を聞く。患者さんに話しかけるのは、共感の言葉だけ。しかし3分過ぎたら、一気に“攻め”に転じる。「ずっと患者さんの言うことを聞いているだけでは、診断なんてできない」と断言する山中先生。では、どう攻めたらいいのか?その極意を公開したのが『Dr.山中の攻める問診』の第1回。もちろん、このシリーズでは、症例を用いて、山中流の具体的な“攻め方”も教えてくれます。たとえば第8回は、21歳女性の腹痛のケース。若い女性に、こんなこと聞いてもいいのかな?と思うようなことを山中先生はどのように聞き出し、診断に結びつけたのでしょうか?そして、その診断とは? -
須藤博先生はどこから診察を始めるか? 2018/10/30
身体診察の達人として知られる大船中央病院院長の須藤 博先生。須藤先生がどこから身体所見を取り始めるか、知っていますか?正解は手。では、その理由は?それが明瞭に語られているのが2008年に公開された「Dr.須藤のビジュアル診断学」の第1回です。きっかけは、須藤先生が大学にいた頃に一緒に働いていたパキスタン人医師のDr.アリ。アリ先生によると、手の診察だけで20の疾患が診断できると言います。実は、これはアリ先生独自のやり方ではなく、英国式のスタンダードな身体診察の手順なのだそうです。番組では、手から診察を始めるのがなぜ重要なのか、という説明から始まって、手から診断が絞り込める具体的な所見を須藤先生が次々と提示していきます。Spoon nail、Beau's Line、Osler結節などなど、手に現れる所見と疾患の関係性が、須藤先生ならではのやわらかい語り口、ウイットに富んだ講義で、すうーっと頭に入ってきます。ぜひ番組をご覧になって、明日から、手から診察を始めてみてください。 -
ケアネット史上一番売れたDVDで、心電図が好きになる! 2018/08/09
ケアネットと言えばDVD、医学教育DVDと言えばケアネット―。というイメージを持たれている医療者の方は多いと思います。これまで制作したDVDは250タイトル以上。しかし、その中で一番売れたDVDが何かご存じの方は少ないのではないでしょうか?答えは、心臓血管研究所 所長の山下 武志先生による「もう迷わない!好きになる心電図」。2005年の発売なので、今から10年以上前の作品です。その間、循環器分野では数多くの新しい治療薬、治療法が生まれ、ガイドラインも大きく変わっています。しかし、言うまでもなく、心電図の読み方は変わりません。第1回で、山下先生はまず「心電図を3つに分けろ!」と説きます。その3つとは、「放置する」「自分の力で片付ける」「緊急に他人の力を借りる」。この要諦をつかめば、それだけでも、心電図が苦手な方は、ワンアップできると思います。そして、最後までしっかり見れば「心電図が好きになる」はずです。映像に多少古さを感じるでしょうが、どっこい、内容は色あせていません。今も見てほしいケアネットDVDの古典をCareNeTVで公開中。ぜひご覧ください。