数多あるCareNeTV番組の中で、長く支持を集め続ける作品には、それなりの理由がある。ヒット作の見所を、講師の先生の素顔、収録秘話を含め、ケアネット編集長の風間がご案内します。
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食は喜び。「口から食べさせる」技術が詰まった一本 2020/05/24
全国民が外出を自粛し、Stay homeに励んだ結果、新型コロナウイルス感染の第1波が収束に向かいつつあります。かく言う僕もこの1ヵ月はほぼ在宅勤務で、この原稿も家で書いています。 外に出られない、人と会えない、というのはつらいものです。日々の楽しみと言えば、食事くらい。こういう状況になると、食というのは、人間のQOLにとって本当に重要なものだと改めて痛感します。 そんなことを考えていると、6年前の1つの番組を思い出しました。『Dr.野原のナルホド!摂食・嚥下障害マネジメント ~キュアからケアへ~』。患者さんに、口からものを食べてもらうことの大切さを力説する野原幹司先生に当時いたく共感したのを覚えています。 急性期治療中のため、あるいは誤嚥性肺炎防止のため、医師が患者さんに経口摂取を禁じるケースは多々あります。もちろん、それは致し方ないことです。しかし、認知症や寝たきりの高齢者が一度、経管栄養や胃瘻になってしまうと、一切経口摂取できないものとみなされ、口から食べさせる努力を医療者がやめてしまう。そして、さらに廃用が進み、完全に経口摂取できなくなってしまうという実態があることを野原先生は憂います。 端的に言うと「少しでも口から食べられる限り、少しでも口から食べさせろ」というのが野原先生の一貫した主張です。なぜなら、食べることは人生の喜びそのものだからです。 「胃瘻イコール禁食ではない」(胃瘻から経口摂取に戻せることもあるし、胃瘻が造設されていても口から食べてもよい)。 「誤嚥してもいいじゃないか」(誤嚥性肺炎を恐れるあまり経口摂取を無闇に禁じるより、誤嚥しても肺炎にならない方法を考えるべき)。といったメッセージには、ドキッとする医療者も多いのではないでしょうか。 もちろん番組には、高齢者が口から食べることによって生じる誤嚥性肺炎のリスクを最大限軽減するための知識、ノウハウが満載です。医療者がこの番組を通して気づき、学び、経管栄養、中心静脈栄養、胃瘻が常態化して食べることを忘れてしまったお年寄りが一人でもその喜びをまた味わうことができたら、野原先生も本望だと思います。 さて、この原稿を書き終えたので今日の仕事は終わりです。今夜は何を食べようかなー? -
大曲先生、忽那先生のライブ感溢れるレクチャーで過ごすGW 2020/04/26
新型コロナウイルス感染拡大で世の中が一変してしまったこの1ヵ月。学会開催どころか、外出や会食、人との接触が大きく制限され、普通に生活することもままならなくなりました。そんな中で、最前線で文字通り体を張って奮闘している医療者の方々には本当に頭が下がります。ありがとうございます。 ゴールデンウイークも例年とは違った意味合いを帯びてしまいましたが、この状況でこの時期に僕が勧めるとしたら、どんな番組だろう?と、つらつら考えて思いついたのがこちらです。 『国立国際医療研究センター総合診療科 presents内科インテンシブレビュー』。2017年1月14~15日の2日間にわたって同所で開催された集中型セミナーを収録させていただいたものです。 CareNeTVの番組は、見る人に興味を持ってもらえるような演出を施し、作り込んだスタジオ収録のものが大半です。講師の先生が言い淀んだり間違えれば撮り直せるし、後で編集を加えることで、ポイントをよりわかりやすくでき、効率的に学べるのがメリットです。 しかし、リアルのセミナーには、もちろんリアルのセミナーの良さがあります。場合によっては聞き取りにくかったり、少々言い間違えていることもあるかもしれませんが、同じ空間を共有しているからこそ感じる迫力、熱量があります。リアルのセミナーが開催できない今だからこそ、そうしたライブな空気を感じられる、この番組を思い出したのです。 内容は以下のとおり。個性豊かな12人の医師がご自身の得意分野で、たくさんの参加者の前で熱く熱く講義しています。初期研修医向けではなく、専門後期研修医、知識をアップデートしたいシニア医師に向けて、内科領域でのワンランク上のセミナーを意図したと当時伺いました。外に出られないゴールデンウイークにちょっと時間をとって自宅で学ぶには打ってつけかと思い、5月6日(水)まで無料公開いたします。 就中、新型コロナ騒動でテレビでお見かけすることが多くなった、大曲先生、忽那先生の“コロナ前”の名講義は必見です。・第1回 リンパ腫の臨床診断 “Internist's lymphoma”(講師:國松淳和先生)・第2回 パーキンソン病の話(講師:井口正寛先生)・第3回 大血管炎~IgG4関連疾患も含めて~(講師:萩野昇先生)・第4回 Young Doctor's Case Report(講師:九鬼隆家先生)・第5回 感染症診療のロジック~常に丹念に病態を詰め切る~(講師:大曲貴夫先生)・第6回 呼吸器内科医から見た心不全(講師:櫻井隆之先生)・第7回 小腸疾患 Update 2017(講師:櫻井俊之先生)・第8回 NEJMへの道~2017 飛翔編~(講師:忽那賢志先生)・第9回 陰性感情を考える(講師:加藤温先生)・第10回 つつが虫病 シマからみる、シマでみる ~過去と現在、日本、沖縄、世界に眼をむけて~(講師:成田雅先生)・第11回 低K血症をスッキリ理解する Keep It Simple, Stupid.(講師:須藤博先生)・第12回 “元気で長生き”を維持するために 科学的根拠に基づくヘルスメンテナンス(講師:佐田竜一先生) -
葛根湯の適応を正しく見極められる東洋医学の診察法 2020/03/28
新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界が大きく混乱しています。医療者のみなさんはその最前線で本当にご苦労されていると思いますが、先生方と話していると、講演会や種々の集まりが相次いで中止になり、現場はもちろん大変だが、時間的にはむしろ余裕ができたというような声も聞きます。 そんなとき、ご自宅で新しい知識に触れてみるのも一法かと思います。 たとえば、東洋医学の診断法。日常診療に、漢方薬を取り入れている先生は多いと思いますが、東洋医学の診察は、どのように行われ、その結果は薬剤の選択にどう反映されるのか、あまり意識されていない先生も少なくないのではないでしょうか。 『Dr.浅岡の指導医のための漢方医学講座』第5回では、日常診療ですぐ使える「東洋医学の診断方法」の基本をレクチャーしています。 東洋医学の診察は、望・聞・問・切の四診で構成されています。 望診は、目で体格、舌、皮膚、態度を見る診察。聞診は、咳嗽、喘鳴、声などを聴く診察。聴診器などの器材は使いません。臭いをかぐことも聞診に含まれます。問診は、西洋医学の問診と同じ。切診は、腹診、脈診という2つの触診のことです。 これが日常診療にどのように生かせるのか? たとえば、風邪の初期症状によく処方される葛根湯。葛根湯は、東洋医学では表寒証が適応です。逆に言えば、風邪の初期でも裏または熱の証の時は葛根湯は適応にならないということになります。 表か裏か、寒か熱か、という証の診断は、先の四診で行うわけですが、浅岡俊之先生は西洋医学ではあまり行われない舌診は、その判定にとても有用だと説きます。舌の色で寒熱、苔の有無で表裏が簡単に判別できるからです。 脈診も同様です。脈診は本来とても複雑だそうですが、脈が体表に浮いている浮脈か、体表から沈んでいる沈脈か、で表裏の判定はできます。東洋医学の脈診は、橈骨動脈に人差し指から薬指の3本の指をそろえて当てて行いますが、人差し指が患者の親指を向くようにするなど、その方法も動画で細かく解説されています。 もちろん、番組ではこのほかにもすぐ臨床で使える東洋医学の診察のティップスが詰まっています。さらに、CareNeTVでは、基礎から応用まで、浅岡先生の漢方についてのレクチャーシリーズがそろっていますので、興味を持たれた方はチェックしてみてください。そのお役立ち感と面白さに魅せられ、いまだ人気が衰えない理由が理解できると思います。 -
なぜ、胸部X線「ルネッサンス」なのか? 2020/02/24
番組や記事のタイトルをつけるのは、楽しい仕事です。しかし、同時に難しくもあり、責任も感じます。なぜなら、どんなにいいコンテンツもタイトルがイケてないと、視聴者や読者がそもそも開いてくれない、よって、見てくれないからです。一目でそのコンテンツの意味や価値、雰囲気を巧く伝える「カッコいいタイトル」付けには、毎回ない頭を絞って、絞って、絞り抜きます。『Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス』。2016年制作の番組ですが、今見てもまあまあよくできたタイトルではないかと思います。手前味噌ですが。言うまでもありませんが、ルネッサンスは14世紀にイタリアで始まった古代ギリシャ・ローマの文化を復興させようという文化運動のことです。語源的には、フランス語で「誕生」を意味するnaissance(ネサンス)に接頭辞reが付いて「再び生まれること」を意味します。この番組は、CT、MRI全盛の現代において、誤解を恐れずに言えば、少々古びた画像検査である単純胸部X線の価値を、長尾大志先生の名ティーチングによって復興、再生させることを目指しています。番組の冒頭で、先生が話しているように、日本ではCTが広く普及していますが、それでもCTを撮れない状況はいくらでもあります。そんなとき、X線写真でも病状をしっかり把握できるスキル。CTが3次元で複雑で詳細な画像情報を提供してくれる時代だからこそ、「単純」なX線を読み解く属人的なテクニックに光を当てたのです。当然、胸部X線をきちんと読影するためには、胸部の解剖がしっかり頭に入っている必要があります。なので長尾先生は、まずブロンコ体操の繰り返しで肺の解剖を脳に染み込ませます。そして、シルエットサインなどのテクニックを駆使して、X線写真という2次元のイメージを頭の中で立体的に捉えていきます。長尾先生の読影テクニックは、臨床ですぐ役立つだけでなく、謎解きにも似た知的刺激に満ちています。要するに、楽しい!こうした画像診断の世界を平易に説明するには、書籍より映像の方が優れていることは同意いただけるでしょう。より理解しやすくするために3次元CGには結構お金をかけました。肺が空間に浮かんで回っています(笑)。そういう意味でもお得です。そんな長尾先生の胸部X線ルネッサンス運動の成否を、ぜひ映像で見届けてください。 -
急性発症の頭痛。右半身筋肉低下・羞明あり。その意外な病名 2020/01/26
夜間、救急外来にやって来るさまざまな症状を呈する患者。軽症だったり、症状が治まっていた場合、その患者を自宅に帰してもいいか?入院させて検査、治療を進めるべきか?その判断は、どのような医師にとっても、緊張を強いられる、ある意味、永遠のテーマと言っていいかもしれません。頭痛、胸痛、腰痛、腹痛という代表的な痛みについて「帰してはいけない」場合をエキスパートが語り合う『聖路加GENERAL Dr.石松の帰してはいけない患者症例』。2012年の制作の番組ですが、その実用性ゆえか、今も多くの先生方にご覧いただいています。頭痛篇では、石松伸一先生の症例提示をもとに、OPQRSTというチェックリストを使って診断を進め、レッドフラッグを見つけ出す方法を、徳田安春先生が解説しています。たとえば、こんな症例。25歳、女性。OPQRSTに基づくと、O(Onset;発症様式)は「急に発症」、P(Palliative/Provocative factors;緩解・増悪因子)は「前日夜に赤ワインを飲んだ」、Q(Quality/Quantity;性状・程度)は「程度は7/10で拍動性」R(Region/Radiation;場所・放散部位)は「頭部左半側」、S(associated Symptoms;随伴症状)は「嘔吐、羞明、右半身筋力低下が先にあり」、T(Time course;時間経過)は「3時間前から継続」。この患者さんは、片頭痛の既往があり、母親も片頭痛という家族歴があります。頭痛の性状、場所などを勘案すると片頭痛が当然疑われますが、右半身筋力低下という症状が極めて気になるところです。いずれにせよ、この症状の患者さんを軽々に帰すことはできないと思いますが、徳田先生が下した診断名は意外なものでした。この他にも、救急で遭遇しがちな興味深い症例と診断のためのティップスが気軽にたっぷり学べる1本です。 -
ジェネラリストvs.スペシャリストか?それとも…? 2019/12/22
ジェネラリストとスペシャリスト。医師をそのような枠組みで分類する考え方があります。ジェネラリストは、幅広い領域を一定レベルまで診る医師、スペシャリストは専門領域を深く診る医師。ときに両者は対立軸で捉えられることもありますが、両者がうまく噛み合うことで、総体として良質な医療が効率的に提供されることは言うまでもありません。 「この番組企画したの、僕なんですよ」 『スペシャリストにQ』の収録の合間、ホスト役の前野哲博先生(筑波大学 総合診療グループ長)がゲストの各科のスペシャリストの先生に誇らしげにそう話しかけているのを目にすることがあります。ジェネラリストとしてスペシャリストに聞きたいこと。それをジェネラリスト代表として質問し、5分で簡潔にまとめてもらう。それが前野先生のアイデアであり、このシリーズの基本コンセプトです。 『スペシャリストにQ』は2013年の循環器編を皮切りに、これまで8シリーズをリリースしていますが、スペシャリストの先生にできるだけ、答えを言い切ってもらうことも大事にしています。たとえば、ガイドラインに第1選択薬が2つ、3つ並列に書かれているとき、「結局のところ、どれを使ったらいいの?」というのは、ある意味、一番素朴な疑問だからです。 呼吸器編の第7回「COPDの薬物療法は何から始める?」。当時のガイドラインでは並列の位置付けだったLABAとLAMAについて、長尾大志先生(滋賀医科大学 呼吸器内科)は「われわれの感覚ではLAMA」と言い切ってくれています(のちに、LAMA優先にガイドラインが改訂)。これこそが本シリーズの目指すところであり、真骨頂です。 ジェネラリストの素朴な疑問に対して、スペシャリストが変な忖度なく、臨床家としての誇りと自信を持ってスパッと答える。そんなジェネラリスト+スペシャリストな世界観をこれからも体現していければと考えています。 -
小児の腹痛、見逃しご法度の5疾患を鑑別できるか 2019/11/29
救急で来る小児の腹痛で、絶対に見逃してはいけない疾患は5つだそうです。その5疾患が何だかわかりますか。それらを的確に鑑別する自信がありますか。もし少しでも自信がないようであれば、ぜひこちらの番組をご覧ください。30分で不安が解消されます。その番組とは、『こどものみかた~シミュレーションで学ぶ見逃せない病気~』。一般社団法人こどものみかたが開催している「小児救急T&A(Triage & Action)コース」に基づいたこのプログラムは、小児科を専門としていない医師が、夜間急患当番などで「こどもを診ざるを得ない場面」を想定し、身に付けておくべき小児患者に対する必要十分な対応法を体系的に学べるのが特徴です。さて冒頭の問いの答えですが、こどものみかた代表理事で相模原市国民健康保険内郷診療所 所長の土肥直樹先生が、番組内で挙げる小児の腹痛で見逃してはいけない5疾患は、虫垂炎、腸重積、鼠径ヘルニア嵌頓、精巣捻転、アレルギー性紫斑病の5つです。鑑別のためには、まずトリアージ。小児の全身状態はAppearance(外見)、Breathing(呼吸)、Circulation to skin(皮膚への循環)のABCで判断します。外見の評価方法としてはPALSという独自の手法を提唱。具体的な評価の仕方は、このシリーズの第1回「トリアージ」で説明しています。PALSで評価を行ったうえで、たとえば腸重積を疑った場合、嘔吐、血便、腹部腫瘤が代表的な臨床所見になります。しかし発症早期では、この3主徴がそろうのは20%程度であり、疑ったら血便等がなくてもエコーで診断することが必要。その際のプローブの当て方のコツ、特徴的な所見などを解説していきます。番組では、先の5疾患で、このように見落とさないためのアプローチをレクチャーしていますが、実は、小児の腹痛で最も多い原因は便秘。その対処法も最後にしっかり教えています。とくに注意すべきは、家で便が出ていても便秘は起こりうるということ。そして「小児救急の腹痛で、浣腸してはいけない疾患はない」(土肥先生)ため、小児救急で腹痛を見たら、便が出ているか否かにかかわらず、まずは浣腸を行うのが原則となるのです。 -
聖路加・岡田先生さえ尻込みしたプレゼン名人の「完璧な7分」 2019/10/19
「○○先生の次には話したくないよねー」講演会やセミナーの控え室で、こんな言葉を耳にすることがよくあります。これはもちろん、前に話す演者の先生の話の上手さを褒めて言っているわけです。実際、「誰から見ても抜群にスピーチ、プレゼンテーションが上手な医師」というのがいます。CareNeTVには、そんな話が上手くてかつ臨床的にも一流の先生方が集まっていますが、中でも僕が「めちゃくちゃ上手いなー」といつも感心してしまうのが聖路加国際病院の岡田正人先生。現在、その“話力”を最大限にフィーチャーした新番組『岡田正人のアレルギーLIVE』を配信中ですが、今回紹介したいのはこの番組ではありません。5年以上前ですが、その岡田先生が「…の後に話したくないなー」とおっしゃっていた先生がいます。「えっ、岡田先生でも?」と驚いたのでよく覚えているのですが、その先生とは、慶應義塾大学の香坂俊先生です。「ああー、なるほど」と膝を打った方も多いと思います。当のお二人が共演しているのが、2013年制作の『CliPS』。当時流行り始めたTEDの臨床版というイメージで、Clinical Presentation Stadium、略してCliPSと名付けました。岡田先生、香坂先生をはじめとする誰もが認めるプレゼンの名手に加え、「我こそは」と手を挙げてくれた先生を含め計23人の、観客を前にしたガチの臨床プレゼンが収録されています。その中でも絶対に見てほしいのが、やっぱり香坂先生の『Ooops! I did it, again... 難しい呼吸困難の鑑別』。しゃべりそのものにも惹きつけられますが、特筆すべきはプレゼンのストーリー。ツカミから話が自然に展開され、ドンデン返しがあり、ラーニングのポイントに収斂されていく。そして最後に、気の利いたオチ。7分間の構成が完璧すぎて、何度見てもスゴい!と唸らされます。岡田先生の『Good Morning, NY!』も好きな作品です。臨床的な深い学びがあるだけでなく、先生の医師としての姿勢に襟を正したくなるでしょう。実は、この2つのプレゼンにはテクニカルな共通点がいくつかあって、続けて見ると「イケてるプレゼン」の極意が見つかりそうです。結局、岡田先生のプレゼンが香坂先生の前だったか後だったかもう覚えていませんが、ユーチューバーが流行るなど、当時とは情報発信のあり方もだいぶ変わってきているので今風のCliPSをまた企画してみたいですね。 -
心音の匠による不滅の映像教材に「刮耳」せよ! 2019/09/21
医学書とは明確に異なる映像医学教材の価値。その最たるものが音声だと思う。もちろん画像の動きを見せられるのは映像ならではあるが、「絵」に関しては書物でも連続写真などでそのポイントを示すことはできる。しかし「音」だけはいかに擬音語などを駆使しても、正確に表現できない。CareNeTVの数多くの作品群の中で、その強みを最初に体現したのが『Dr.さわやまの心音道場』であろう。2006年4月にリリースされた作品だ。第2回「過剰心音」。18歳、男性。主訴は胸痛。心尖部で低音のIII音が聴取された。いわゆるギャロップリズムで、拡張型心筋症かと思われるが、然に非ず。これは生理的III音と呼ばれ、診断は異常なし。では、生理的III音と病的III音はどう聴き分けるのか?生理的III音は、I音、II音が大きく、III音の音程が病的III音より高い。一方、病的III音は、I音が小さく、III音の音程が低い、というのがその答え。この番組では、その違いが生じる理由、機序だけでなく、実際にどう聴こえるのかまで「音」で教えてくれる。もちろん、これはほんの一例にすぎない。『Dr.さわやまの心音道場』は、全編、聴診の達人・沢山俊民先生の匠の技と心音で埋め尽くされている。今年85歳になる名医の往年のテクニックがクリアな音とともにしっかり記録されていること自体に意味がある。「作成時期は10年以上前だが非常に価値があります」(60代 勤務医 リハビリテーション科)。CareNeTVでは、2018年11月から番組に対する評価をユーザーが自由に書き込めるようにしているが、最近この番組に対して大変うれしいコメントが寄せられていた。誰もが首肯するだろう「時が流れても変わらぬ価値」を一度玩味してほしい。 -
臓器専門医が嵌まった不明熱をあの男が見抜く! 2019/08/24
医学書なのか小説なのかわからない『仮病の見抜きかた』(金原出版)が話題の國松淳和先生。CareNet.comのヒットメーカー倉原優先生をして、「文才が鬼ってる!」(「Dr.倉原の“俺の本棚”」より)と言わしめた快作ですが、國松先生の真骨頂といえば、これ。そう、専門医でさえ診断にたどり着けなかった難症例に「確診」という答えを与えることです。2015年10月にCareNeTVでリリースした『フィーバー國松の不明熱コンサルト』では、内科各領域の臓器専門医が難渋した不明熱を國松先生が見事に料理していきます。たとえば、不明熱のコンサルトを受けることも多いはずの呼吸器内科専門医からのコンサルトはこんな感じ。リウマチ性多発筋痛症と診断され、プレドニゾロンで軽快するも再燃。別の医療機関では気管支喘息と診断されたが、ステロイド吸入薬が著効せず、β2刺激薬で改善を認めない。「リウマチ性多発筋痛症は、臨床症状の組み合わせだけで診断される疾患なので、常に誤診のリスクを伴う。典型的ではない経過の場合は、常に診断を見直さなければならない」と國松先生。過去の病歴になかった身体所見からある疾患を疑った國松先生は、なんと耳鼻咽喉科の先生に検査を依頼。そこから導き出された最終診断とは?番組で取り上げるのは、循環器、消化器、呼吸器、腎臓、血液、神経、膠原病、感染症の8領域。上記のようなコンサルト症例の「謎解き」を楽しめるだけでなく、各科で遭遇しやすいキホンの熱から、検査ではわからない困った熱まで、鑑別方法、対処法を詳しく解説しています。余談ですが、収録当時、「フィーバー國松」という“命名”を先生がえらく喜んでいたのを思い出しました。もちろん「熱」だからフィーバー。番組の中では、指先から「炎」(ファイヤー)も出ています。 -
産婦人科医じゃなくても女性の悩みをここまで解決できる! 2019/07/20
「生理がずっと続いてて困ってるんです」女性の患者さんからこんな悩みを打ち明けられたら、医師として適切な対応ができますか?「私は産婦人科医じゃないので、それはちょっと…」と敬遠してしまう先生も多いかもしれません。そんな先生方のために、産婦人科医でなくてもできる、女性特有の悩みや疾患に対応する方法をまとめたのが『産婦人科医ユミの頼られる「女性のミカタ」』。もちろん内診は不要。女性のカラダの仕組みをしっかり理解し、正しい知識とエストロゲン、プロゲステロンなどの“武器”を駆使すれば、一般医でもここまでの治療ができるのだということを、池田裕美枝先生が教えてくれます。たとえば、冒頭の悩みを10代の女性患者が訴える場面を取り上げた「第5回 長引く月経を止める」。こうしたケースについて池田先生は、エストロゲンとプロゲステロンのアンバランスで起こる機能性子宮出血が大半であると言います。もちろん器質的疾患や妊娠の除外は忘れてはいけませんが。機能性子宮出血とは子宮内で起こる破綻出血であり、月経は消退出血。これらをレンガとセメントの例えで説明する解説は、“目から鱗”のわかりやすさです。内診をしなくても、子宮で何が起こっているのか科学的に理解できれば、この患者さんに何を処方すればよいのか、おのずとわかるというわけです。ほかにも一般医でもできる婦人科対応事例がこのシリーズには詰まっています。さらに、池田先生が自らさまざまな年代の女性患者に扮するスキットも注目。改めて見返して、収録現場での先生のノリノリぶりを思い出してしまった風間でした。 -
「ウォンバットと人間の共通点は?」疼痛を根本から学ぶとこんなに楽しい! 2019/06/22
「疼痛とは何か?説明できますか?」田中和豊先生の研修医へのそんな問い掛けから始まる「Step By Step!初期診療アプローチ」疼痛編。CareNeTVのロングセラー番組の1つです。すべての医師が医学部で学んだはずの解剖生理学。しかし、その知識が臨床の現場で十全に活用できていない場合もあります。そこにフォーカスして、さまざまなコモンな症候を取り上げ、それをどう診療していくか、解剖生理学に立脚して詳細に説明していくのが田中和豊流。まさにStep By Step。根本から症候診断学を学び直せるのが人気の秘密だと思います。「ウォンバットと人間の共通点は?」番組の途中、突然こんな問いも投げ掛けられます。答えは「虫垂を持っていること」。すべての動物の中で虫垂を持っているのは、人間とウォンバットだけだそうです。そこから始まる急性虫垂炎の疼痛の解説がまた圧巻。心窩部の鈍痛から始まり、右下腹部の鈍痛に変わり、最後は右下腹部の鋭い痛みになる典型的な発症形式。それぞれ、疼痛の種類としては、関連痛、内臓痛、体性痛に分類されるわけですが、それを理解することがなぜ重要なのか、クリアに解き明かしてくれます。ちなみに冒頭の問いに対する答えは、「物理的刺激あるいは疼痛物質(セロトニン、ブラジキニンなど)の化学的刺激による痛覚神経終末板(痛覚レセプタ)の刺激が、疼痛経路を通って脳が認識する感覚」。そんな学びの原点に立ち返ってみたいときには、いい番組だと思います。 -
東洋医学の知識ゼロでOK!「サイエンス漢方」で正しく処方する 2019/05/25
通常の薬剤とまったく異なる理論体系に基づく漢方薬。そのため、漢方薬を処方するには、「気血水」「五臓」「表裏・虚実」に代表される東洋医学の知識を多少はかじっておく必要があると思いがちです。「いや、そんなことはない。東洋医学の知識ゼロでも漢方薬を科学的に正しく処方することはできる」。そう主張するのが日高徳洲会病院院長の井齋 偉矢先生。そして井齋先生は、その独自の理論を「サイエンス漢方」としてまとめ上げています。井齋先生は「サイエンス漢方」を広めるべく、全国各地で講演を行っていますが、受講した先生方には「目からうろこが落ちた」「ともかく面白い」「臨床で使える」と大好評。その評判を聞きつけ、5年ほど前、CareNeTVで番組化したというわけです。西洋医学に基づく通常の薬剤は、基本的には、ある程度の量の1種類の化合物であるのに対し、漢方薬は数十以上の化合物が少量ずつ入った集合体。この「少量超多成分」が漢方薬の特徴であり、超多成分にしか応答しない複雑な系に有効だというのが「サイエンス漢方」の基本原理です。具体的には、免疫賦活系/抗炎症系、微小循環系、水分調節系、熱産生系の4つの系がそれに当たります。『Dr.井齋のサイエンス漢方処方』では、この4つの系に対する漢方薬の作用を、東洋医学によらず、あくまで科学的に解説していきます。たとえば、多くの疾患に関与している炎症に対して、黄連、黄柏、黄ゴンといった漢方薬が細胞内のシグナル伝達の中のどこでどのように作用するのか、西洋医学的なアプローチでひもときます。もちろん漢方薬の使い方には、本来の漢方医学に基づく王道があります。しかし、東洋医学に苦手意識がある先生方には、臨床で漢方薬を上手に使うために、「サイエンス漢方」を知っておくのもよいかもしれません。 -
痛くも痒くもないから「怖い」赤い皮膚疾患 2019/04/20
患者さんから訴えを聞く機会は多いのに、一般医には診断が難しいものの代表格に、皮膚疾患があります。『聖路加GENERAL〈Dr.衛藤の皮膚科疾患アーカイブ〉』は、そんな一般医の「?」にストレートに応える番組として、リリース以来、人気です。皮膚の疾患は、症状の面からは大きく「痛い」「痒い」「痛くも痒くもない」の3つに分かれますが、このうち「『痛くも痒くもない』つまり皮疹はあるけれど症状がない皮膚疾患に、実は見逃してはいけない『怖い病気』が隠れていることが少なくありません」と衛藤 光先生は言います。患者さんがあまり困っていないので、つい経過観察にしてしまいがちだからこそ、注意が必要なのです。たとえば、第5回 症状のない皮膚疾患(1)で提示されるこんな症例。75歳男性。右陰嚢部に3年前から発赤あり。掻痒感、疼痛など自覚症状なし。鼠経リンパ節腫脹もなし。この男性、自転車に乗る機会が多いことから、サドルとの擦れと汗の影響で、湿疹が悪化したのではないかと近医で診断され、外用ステロイドが処方されていました。ところが、ステロイドを塗っても皮疹は一向に良くならないばかりか、3ヵ月前から赤みが増してきたと言います。湿疹、カンジダ、白癬などと誤診されることが多い、この「怖い疾患」とはいったい…? -
ICUでSpO2 100%はご法度?! 力丸流で人工呼吸管理を丸っとつかめ! 2019/03/26
春ですね。日本中が桜色に染まり、たくさんの人々が新たな場所に旅立っていきます。そんな季節に、視聴が自然に増えてくる番組がCareNeTVにあります。いわゆる定番の入門コンテンツ。年月を経ても色あせないロングセラー。その典型が、『ドクター力丸の人工呼吸管理のオキテ』です。なぜ、この番組がそこまで医師、医療者に高い評価を得ているのか。それは、ともかくわかりやすく、コメディカルでも初学者でも、人工呼吸管理についての必要十分な知識を短時間で「つかむ」ことができるから。実は、欧米には、人工呼吸管理のきちんとしたトレーニングコースがあります。しかし、日本では人工呼吸器を扱うのにトレーニングは必須ではなく、そうしたコースもまだ確立されていません。このため、古川 力丸先生は、酸素化、換気の考え方、呼吸仕事量など、臨床で使える人工呼吸管理の方法をシンプルに伝えるオリジナルの指導法を考案し、全国各地で教育活動を行っています。難解な呼吸生理学の知識が不要で、ともかくわかりやすいので、年を追うごとに、口コミで“力丸流”が若い医師、医療者に広がっているのです。たとえば、第3回「PF比を使いこなせ!…正しい吸入濃度の設定」では、FiO2、SpO2、PaO2、PF比の関係性を紐解き、あるべき吸入濃度の設定方法を指南します。「サチュレーション100%で酸素化良好」。ICUで医療者が使いがちなこの言葉に、実は落とし穴が…。一瞬ドキッとしますが、明解すぎるロジックに目から鱗が落ちることでしょう。さて、力丸先生の練りに練られた名講義で、人工呼吸管理を丸っとつかんで、明日から、自信を持ってベッドサイドに向かってください。 -
「検査しない」ことがなぜノロウイルスの感染対策になるのか? 2019/02/23
感染症コンサルタントという“職業”をご存じでしょうか。インフェクションコントロールドクター(ICD)がいない病院などに対して、現場に入って感染対策を企画し、職員を指導し、実行を促し、院内感染を現実的に防いでいくプロフェッショナル。岸田 直樹先生は、北海道を中心にそのような仕事をしているドクターです。『感染症コンサルタント岸田が教える どこまでやるの!?感染対策』は、そんな感染対策のプロの視点で、感染対策の基本から、病原微生物ごとの対策を説いていくCareNeTVの中でもユニークな番組。理想を語るのではなく、あくまで現場本位で、実現可能な方策をクリアに提示してくれます。たとえば、ノロウイルス。非常に感染力が強く、手指衛生の基本であるアルコールが無効なため、多くの病院で対応に手を焼いている病原微生物ですが、岸田先生は「冬季の嘔吐下痢症の原因になるのは、ノロウイルスだけではなく、アデノウイルスやロタウイルスもある」と指摘。ノロウイルス対策に「迅速検査は必要ない」と極論します。なぜなら、迅速検査は感度があまり高くなく、陰性であっても感染を否定できず、対策上あまり意味がないからです。では、どうすればいいのか?第6回「感染力が強いノロウイルス」では、豊富な経験に裏打ちされた岸田流の感染対策の具体的なノウハウを公開しています。吐物・糞便の処理方法のマニュアル例など、明日から使える実用的な感染対策ノウハウもたっぷり。医師のみならず、すべての医療者に役立つ番組になっています。 -
一生一度しか出合わなくても絶対見逃してはいけないCT画像 2019/01/22
救急で、当直で、外勤先で、頭部CTをその場で読影しなければならない場面は、医師であれば少なからずあるでしょう。「そんな時、仮に一生一度しか出合わなくても絶対見逃してはいけない画像があります」。そう語るのは、画像読影のエキスパート、ネッティーこと、日本医科大学放射線科の関根 鉄朗先生。73歳女性。歩いて来院。昨日の朝から頸が痛いと訴えています。頭痛はなし。神経学的所見も項部硬直もありません。提示される頭部のCT画像に、病変は3ヵ所。それをどうしたら絶対見逃さないか。逆に言うと、どうしたら確実に見つけられるか。『ネッティー先生のわかる!見逃さない!CT読影術』第1回 頭部編1 怖い怖いくも膜下出血 - この患者は帰しちゃダメ!(初級)では、上記を含め5つの症例が提示されます。正常構造との対比、“一筆書き”、コントラスト設定、所見の足し合わせ、などなど、初級者でも理解できるネッティー流の読影テクニックを折りまぜながら、CT画像読影術を解き明かしていきます。全6回のシリーズでは、頭部と胸・腹部をそれぞれ初級編、中級編、上級編の順でレクチャー。一般的によく出合う症例、見落としてはいけない症例、ネッティー先生が臨床医からよく相談を受ける症例を選んでいますので、どんな医師でも自分に合った回から見れば確実に学びが得られます。そして、そして、ネッティー先生の芸人さながらの流暢な話術にも注目。知識が不思議なほどスイスイ頭に入ってきます! -
内科医にこそ読めてほしい関節X線画像-Dr.仲田の記憶に残る名講義 2018/12/22
あなたは、X線画像で変形性関節症とリウマチを見分けることができますか?変形性関節症は、力学的変化による破壊、リウマチは滑膜増殖による破壊。その病態による画像の違いは、X線上でどのように表れるのでしょうか?MRIで脊椎を見るとき、どこに注目しますか?脊椎の骨折、化膿性脊椎炎、がんの骨転移をしっかり読影できますか?そんな一般内科医が知っておきたい整形外科領域の知見が凝縮された『骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科2』。とくに、第4回「プライマリ・ケアで役に立つ骨、関節X線読影」では、豊富な画像を提示。さまざまな整形外科疾患の画像所見を、病態と関連付けて短時間で理解できます。講師の仲田 和正先生は、内科医の気持ちがわかる整形外科指導医として、いの一番に名前が挙がる先生です。仲田先生が院長を務める西伊豆健育会病院は、地方の小規模病院でありながら、多くの若手医師・研修医が指導を仰ぎに門戸を叩きます。「はい、立ち上がってー! 脚をガニ股に開いてー」。聴講者を巻き込んだ身体を張ったユニークな講義スタイルもケアネット名物。臨場感あふれる映像で、お正月休みに自宅でくつろぎながら、整形外科を学んでみてはいかがでしょうか。ほかにも、頸椎のみかた、大腿骨近位部骨折早期発見のコツ、大規模災害時の初期の負傷者対応など、すべての医師に必要な整形外科の知識が詰まっています。 -
山中克郎先生の真骨頂「攻める問診"」若い女性の腹痛、ここまで攻めなきゃダメ! 2018/11/27
確かな臨床力と人間味溢れる柔らかな語り口。指導医として多くの若手ドクターに慕われる山中 克郎先生(諏訪中央病院 内科)。その山中先生が長年提唱しているのが“攻める問診”。問診でまず大事なのは、患者さんの心をつかむこと。最初の3分は徹底して患者さんの話を聞く。患者さんに話しかけるのは、共感の言葉だけ。しかし3分過ぎたら、一気に“攻め”に転じる。「ずっと患者さんの言うことを聞いているだけでは、診断なんてできない」と断言する山中先生。では、どう攻めたらいいのか?その極意を公開したのが『Dr.山中の攻める問診』の第1回。もちろん、このシリーズでは、症例を用いて、山中流の具体的な“攻め方”も教えてくれます。たとえば第8回は、21歳女性の腹痛のケース。若い女性に、こんなこと聞いてもいいのかな?と思うようなことを山中先生はどのように聞き出し、診断に結びつけたのでしょうか?そして、その診断とは? -
須藤博先生はどこから診察を始めるか? 2018/10/30
身体診察の達人として知られる大船中央病院院長の須藤 博先生。須藤先生がどこから身体所見を取り始めるか、知っていますか?正解は手。では、その理由は?それが明瞭に語られているのが2008年に公開された「Dr.須藤のビジュアル診断学」の第1回です。きっかけは、須藤先生が大学にいた頃に一緒に働いていたパキスタン人医師のDr.アリ。アリ先生によると、手の診察だけで20の疾患が診断できると言います。実は、これはアリ先生独自のやり方ではなく、英国式のスタンダードな身体診察の手順なのだそうです。番組では、手から診察を始めるのがなぜ重要なのか、という説明から始まって、手から診断が絞り込める具体的な所見を須藤先生が次々と提示していきます。Spoon nail、Beau's Line、Osler結節などなど、手に現れる所見と疾患の関係性が、須藤先生ならではのやわらかい語り口、ウイットに富んだ講義で、すうーっと頭に入ってきます。ぜひ番組をご覧になって、明日から、手から診察を始めてみてください。 -
ケアネット史上一番売れたDVDで、心電図が好きになる! 2018/08/09
ケアネットと言えばDVD、医学教育DVDと言えばケアネット―。というイメージを持たれている医療者の方は多いと思います。これまで制作したDVDは250タイトル以上。しかし、その中で一番売れたDVDが何かご存じの方は少ないのではないでしょうか?答えは、心臓血管研究所 所長の山下 武志先生による「もう迷わない!好きになる心電図」。2005年の発売なので、今から10年以上前の作品です。その間、循環器分野では数多くの新しい治療薬、治療法が生まれ、ガイドラインも大きく変わっています。しかし、言うまでもなく、心電図の読み方は変わりません。第1回で、山下先生はまず「心電図を3つに分けろ!」と説きます。その3つとは、「放置する」「自分の力で片付ける」「緊急に他人の力を借りる」。この要諦をつかめば、それだけでも、心電図が苦手な方は、ワンアップできると思います。そして、最後までしっかり見れば「心電図が好きになる」はずです。映像に多少古さを感じるでしょうが、どっこい、内容は色あせていません。今も見てほしいケアネットDVDの古典をCareNeTVで公開中。ぜひご覧ください。